ホーク11発進!開発者取材で分かった年間1200台という少量生産が成り立つ理由

ホーク11発進!開発者取材で分かった年間1200台という少量生産が成り立つ理由

 9月の発売に先駆けて、ホンダの新型「HAWK 11(ホークイレブン)」の試乗会が実施された。往年のロケットカウルスタイルを現代風にデザインしたホーク11は、ホンダのスポーツバイクでは珍しいファッション性やライフスタイルを重視した立ち位置。

 その分、計画台数は他のモデルに比べて少なく、年間わずか1200台。しかも国内専用で海外分の台数は予定されていない。果たして狙いはどのようなものか?

文/市本行平、写真/HONDA

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ホーク11で導入されたアーキテクチャーシリーズプロジェクトとは?

 ホーク11の前に同じ大型ツインエンジンを搭載して発売されたレブル1100シリーズは、2021年の発表時にグローバルで1万台程の販売が計画されていた。対して国内で9月に発売予定のホーク11は、年間販売計画は1200台しかない。海外分もないのでこの台数で成立するモデルということになる。

 新車には、部品生産や生産コスト、開発費などが計上され、その分価格に転嫁されるのが一般的だ。ところが、ホーク11の価格は139万7000円とリッターバイクとしては標準的な水準。ひょっとすると採算度外視でもラインナップを増やす戦略なのだろうか? これについて、開発責任者は語る。

 「このようなセグメントへの開発を実現可能と判断できたのは、それが具現化できるやり方を身に着けていたからです。

 それが、『アーキテクチャーシリーズプロジェクト』というやり方です。既存の車体を活用しながら現行のラインナップと異なる位置づけの派生展開として、市場規模、設定台数に対応した作り方なども検討・精査した開発を行うことです。

既存車体は、アフリカツイン、NT1100の活用。現行ラインナップと異なる位置づけの派生モデルとは、国内専用ロードスポーツ(=ホーク11)の開発です。市場規模、設定台数に対応した作り方まで検討、に関してはホーク11の特徴ともなっているロケットカウルとリアカウルのFRP成形に結びついています」

どうやら採算度外視ではなく、ホーク11は既存の車体=アーキテクチャー(フレームやエンジンなどから構成される”車体”)を活用したシリーズプロジェクトを実践した例だったのだ。

中央がホーク11の開発責任者(LPL)後藤悌四郎氏。歴代CBなどの企画、開発に携わり、完成車開発部長に就任、この5月末で定年退職した。後藤氏の写真右は開発責任者代行の吉田昌弘氏
中央がホーク11の開発責任者(LPL)後藤悌四郎氏。歴代CBなどの企画、開発に携わり、完成車開発部長に就任、この5月末で定年退職した。後藤氏の写真右は開発責任者代行の吉田昌弘氏

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