「記念車がファイナル」とはならず、ジャパンCBとして走り続ける!
当webでも報じたとおりCB1300シリーズは「30周年記念車がファイナルになる」との噂があったが、どうやら殿堂入りは回避されたようだ。
その理由は、次世代のCBとして企画された「CB-Fコンセプト」がお蔵入りしたからではないか、と推察される。
1980年代のCB900F/CB750Fをモチーフにしたネオクラシックバイクとして2020年に披露されたモデルがCB-Fコンセプトだ。ベース車は水冷直4を搭載する現行のCB1000Rで、日本専売であるCB1300シリーズの後継機として企画。車重266kgで巨体のCB1300とは異なる軽快なキャラクターを指向し、グローバル化による海外の需要も狙った。
しかし当時の取材では、アジアからの反響はあったものの、欧米からの支持は決して大きくなかった。また、CB-Fコンセプトのベース車であるCB1000Rは約167万円と高額。クラシック路線のビッグバイクでベストセラーのカワサキZ900RSは143万円(2023年モデル 一定の整備費を含むカワサキケア込み)だけに、価格面も課題になったはずだ。
結局、このCB-Fコンセプトはコンセプトモデルの段階で凍結され、市販版の開発は見送られたと考えられる。その代わりに、生産終了予定だったCB1300を存続させることになったのではないだろうか。
ちなみにCB-Fコンセプトはスペンサーカラーをまとっていた。このカラーで華々しくデビューするはずだったCB-Fがお蔵入りになったことで、2023年型CB1300にスペンサーカラーが導入される……とも推測できるのだ。
――CB1300シリーズは2007年までベストセラーを重ねてきたが、近頃は販売が芳しくない。2021年にクルーズコントロールなどを採用して魅力をアップしたが、販売計画1600台に対して実績は904台(二輪車新聞推計値)に留まっている。4853台(同)のZ900RSとは5倍以上の開きがあるのだ。
そこで、30周年モデルと虎の子のスペンサーカラーでテコ入れを図る。400cc4気筒復活の噂はあるものの、同時期にデビューしたCB400SFは既に絶版が決定し、正統派CBである“BIG-1”は今やCB1300を残すのみ。ホンダを象徴するジャパンCBとして今一度盛り上がってほしいものだ!
2022年型ホンダ CB1300SF/SB主要諸元(参考)
・全長×全幅×全高:2200×795/825×1125【1135】/1205【1215】mm
・ホイールベース:1520mm
・シート高:780【790】mm
・車重:266/272kg
・エジンン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1284cc
・最高出力:113PS/7750rpm
・最大トルク:11.4㎏-m/6250rpm
・燃料タンク容量:21L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=180/55ZR17
・2023年型予想価格:156万2000円【193万6000円】/167万2000円【204万6000円】
※【】内はSP仕様
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