物凄く広く複雑なバス路線網が展開されている沖縄本島。そのネットワークの中で、走る距離と時間が突出して長いバス路線、もっとも長距離を走るバスはどれだろう?
文・写真:中山修一
(沖縄最長クラスのバスの写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■長い路線=空港発着?
長距離路線を探すなら、たくさんのバスが集まる大きな乗り場を起点に据えて考えるのが良さそう。
沖縄本島で該当する場所といえば、那覇バスターミナルか本島への玄関口になっている那覇空港あたりか。
現地を訪問中、とりあえずバスターミナル/空港双方に出向いて、バスの路線図でも眺めてみることにした。
沖縄のバス乗り場に掲示されている路線図は、縮尺地図の上に各路線のラインが引かれていて、土地勘がなくても位置関係を把握しやすい。
バスターミナルや空港エリアの路線図をチェックして、欄外までラインが伸びている路線に注目してみるのが手っ取り早いとみた。
■高速バスの最長路線はどれ?
沖縄本島には高速バス/一般路線バス両方が運行している。まずは高速バスの最長路線候補を洗い出してみた。
その結果、どうやらこれが最長路線ではないかと白羽の矢を立てたのが、やんばる急行バスが運行している高速バス「YKB888系統」だ。
YKB888系統は、那覇空港国内線ターミナルを起点に、E58沖縄自動車道を経由して、名護〜北西エリアのコブになっている部分(本部半島)の海岸線近くを抜けつつ、運天港という場所まで行く路線だ。
走行距離にすると約117km、およそ2時間50分かけて那覇空港国内線ターミナル〜運天港を結んでいる。
次に長そうなものに、琉球バス/那覇バス/沖縄バス/東陽バスの空港連絡高速バス「117番」と、沖縄エアポートシャトルの「リゾートライナー」が挙げられる。
どちらも行き先は似通っていて、空港国内線ターミナル〜名護を経由して、本部(もとぶ)半島の観光エリアに向かう。
117番の終点がオリオンホテル モトブリゾート&スパ、リゾートライナーは備瀬フクギ並木入口で、どちらのバスも有名な「美ら海水族館」へのアクセス役を兼任している。
117番が距離およそ104km・所要時間約2時間25分。リゾートライナーは普通便と特急便の2種類があり、普通便はおよそ103km・約3時間4分。特急便がおよそ98km・約1時間57分となっている。
■一般路線バスはどうなっている?
一方で、高速道路に乗らず下道だけを走る、一般路線バスの長距離度はどれくらいだろうか。高速バスと同様、一般路線バスもまた北西エリアの名護が目的地に関係してくるようだ。
那覇〜名護を結んでいる路線バスは経路違いが2つほどある。一つは西の海岸線寄りを通る沖縄バス/琉球バスの「120番」、もう一つは東海岸寄りを経由する沖縄バスの「77番」。
120番は那覇空港国際線ターミナル〜名護バスターミナル間を、77番のほうは那覇バスターミナル〜名護バスターミナル間を結んでいる。さてこれらのバス、より長いのはどっちだろう?
名護から距離を測ると、空港のほうが若干遠いので120番かな? と思いきや、どうやら77番のほうが少し長いようで、78kmほどの距離を走る。一方の120番は73kmくらいだった。
所要時間では120番が約2時間48分、77番が約3時間4分と、いずれにせよ全国各地を走る路線バスの中でもかなりのロングライドが楽しめるのは間違いない。