キテレツな発想が仇となった!? 鳴り物入りで登場したあのクルマの不人気のワケ

キテレツな発想が仇となった!? 鳴り物入りで登場したあのクルマの不人気のワケ

 鳴り物入りで登場したからって、成功するってわけじゃない。逆に、期待が大きいぶん、失敗した時のまわりのがっかり感はハンパない。ここでは、「そーいえば、鳴り物入りで登場したあのクルマってどうなったんだっけ?」と、なんとなく思い出してほしい(!?)、失敗作、いや、冒険作を紹介していこう。

文/藤原鉄二、写真/ダイハツ工業、トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、FavCars.com

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女性にそっぽを向かれた!? 悲しきデートカー「トヨタ・セラ」

キテレツな発想が仇となった!? ああ残念! 鳴り物入りで登場したあのクルマの不人気のワケ
女性人気が想像以上に低かったのも惨敗の要因であったことは確実。この当時のデートカーはシルビア、プレリュードなど、強敵揃いだった

 「あのトヨタが!?」と、業界を驚かせたクルマがトヨタの冒険カーが「セラ」。バブルの真っただ中に開催された1987年の東京モーターショーにコンセプトカー「AXV-2」として出品された時は、量産化は……と多くの人が思ったものの、大方の予想に反して1990年3月、デビューを果たした。

 斜め前上方に開く少し変則的なガルウィングドア、正確にはバタフライウイングドアを採用した3ドアクーペという位置づけ。日本では、ガルウィングドアはスーパーカーの専売特許という既成概念を覆したことだけでもセラのインパクトは大きかった。

 加えて、コンセプトの「あらゆる天候下でのオープン感覚の体験」どおり、戦闘機を彷彿とさせるような、全面ガラス張りと言っても過言ではないエクステリアデザインは斬新だった。そんな画期的なエクステリアにばかり注目が集まりすぎたためか、走りに言及されることはほとんどなかった。

 いっぽうで、女性に好まれるデートカーとしての地位を築くかと思われたが……。なんと、女性からは「中が丸見えすぎて恥ずかしいー」「ドアが開けづらい」「とにかく熱ーい!」「日焼けしそー」などの理由からそっぽを向かれ、男性たちを大いに失望させることに……。

 他にも、ベースグレードで160円という、1.5リッターの同クラスのクルマよりも少々割高であったことや、ガラスのキャビンのせいで車重が重く、走行性能がいまいちだったということもあり、その人気は急速に衰えていった。

 結局、1996年1月に生産終了、総販売台数1万5834台と、天下のトヨタとしては稀にみる大惨敗を喫したモデルだった。

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