HVもPHEVもゼロエミッション車ではない
ここで誤解してはいけないのは、「ゼロエミッション車」とは、EVとFCV(燃料電池車)のみ。EVは日産リーフ、アリア、ホンダeなど、徐々にラインナップは増えてきているが、FCVは現在市販されているのはトヨタ・ミライのみだ。
EVやFCVは、充電装置でバッテリーに電気を溜め、その電気でモーターを動かし車輪を駆動するためガソリンは必要としない。当然、有害物質をまったく排出しない。これが本当の意味でのゼロエミッション車だ。
いっぽう、モーターとガソリンエンジンを組み合わせたHVやPHEVはゼロエミッション車ではない。すでにイギリスは従来、2035年にガソリン車とディーゼル車だけではなく、ハイブリッド車も新車販売禁止の対象とすることを表明している。この動きに追従する国も増えている。
ちなみに、トヨタでは10月29日にその全貌が公開されたbZ4Xをはじめとした電気自動車をBEV表記しているが、これはBattery Electric Vehicleの略。EVと何が違うのかと混乱しそうだが、EVと同義だ。
期限付きだが……。減税措置や補助金を活用しよう
2035年の内燃機関搭載車の新車販売ゼロというのは今のところ努力目標といったところで、法的に決まったわけではない。法的な規制がかかるのかなどは不透明ということだ。つまり、現状ではいつまでガソリン車やディーゼル車を乗り続けられるのかも不明ということだ。
とはいえ、国はすでにエコカーに関してはさまざまな優遇措置を設けている。EVの場合は100%免税、排気ガスの2020年度基準達成率によってはガソリン車やディーゼル車でも免税の対象になるエコカー減税に関しては2021年4月末までとなっていたが、2021年度税制改正によって2年間の延長が決定している。
他に2023年3月31日までだが、EV、FCV、PHV、PHEV、クリーンディーゼル車、天然ガス自動車には、自動車税が軽減されるグリーン化特例も適用される。
さらにEVを購入する場合、国や自治体の補助金対象となるケースがある。充電用コンセントやスタンドの工事費用に対しても、地域によっては補助金制度がある場合もある。
いずれにせよ、これらの優遇措置も現状では期限付き。今回は延長されたものの、今後はどうなるかも不透明だ。
地球環境を守ることが重要なことはわかる。しかし、買いたいクルマが制限されてしまうのは悲しいことだ。今後、EVやFCVの選択肢が増え、「乗りたい!」と思ったクルマがたまたまEVやFCVだったといった時代がくれば万々歳なのだが……。
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