「ウ~~!」と公道で鳴り響くパトカーのサイレン音。ルームミラーには、赤灯を点灯させながら迫りくる覆面パトカー! 違反をしていなくても、ドキっとする瞬間だろう。しかし、街中で出会う覆面パトカーは交通取り締まり用ばかりとは限らない。一見、交通取り締まり用に見えて、捜査用ということもある。
今回は「えっ? これ、交通取り締まり用覆面パトカーじゃなかったの???」と、多くのドライバーがびっくりしたであろう、スポーティ感あふれる捜査用覆面パトカーを、新刊『平成~令和新時代 パトカー30年史』からピックアップして紹介しよう。
写真/編集部、大塚正諭、有村拓真
【画像ギャラリー】秘蔵写真大公開 こんなパトカーなら一度は乗りたい捜査系スポーツパトカー
『平成~令和新時代 パトカー30年史』は全国書店および電子書店で絶賛発売中!!
■マニアでなくとも愛車にしたくなる
覆面パトカーは、大きく、交通取り締まり用、捜査用、警護用の3種に分けることができる。それぞれに役割は明確で、捜査用や警護用の覆面パトカーが、交通取り締まりをすることはない。当然だが運用する部署が違うし、速度違反の取り締まりに関していえば、車両にストップメーターを装備していないので、速度測定ができないからだ。
しかしながら、捜査用パトカーのなかには、交通覆面パトカーと思ってもなんら不思議ではないほどのスポーティなモデルが導入されたことがあった。また、そのなかには交通用取り締まり用と同一車種(グレードは違うが)が導入されたこともあり、紛らわしい捜査用覆面が少なくない。
そこで本企画では、一般ドライバーが「まさか交通パト!?」とドキっとしたであろう覆面パトカーを紹介する。いずれも「走り」を期待させる車種ばかりで、なかには愛車候補にしたいクルマがあるかも。
第1位 捜査員もきっと驚いた! SUBARUインプレッサWRX
ボンネットに大きくあいたエアインテークに、金色のホイール! いかにも走りを予感させるこれほどスポーティなクルマが、捜査用覆面パトカーだとは、まず思わないだろう。配備されたときは、捜査員もこの車種セレクトにびっくりしたことだろう。2005年頃に千葉県警高速隊に交通取り締まり用が2台配備されていたが、捜査用は全国に大量配備された。
第2位 交通パトに続いて捜査パトも! NISSAN R34スカイライン25GT
1998年頃に国費で配備され、全国の高速隊・交通機動隊で猛威をふるったスカイライン25GT-tの交通取り締まり用覆面パトカー。交通用としても珍しい車種選択で、当時のドライバーを驚かせた存在だったが、実は同じ時期に捜査用覆面も大量に配備された。グレードこそターボなしだったが、当時はじつに紛らわしい存在だった。
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第3位 捜査用車の定番車となった SUBARU レガシィB4(BM)
インプレッサWRXと同様に、エアインテークがいかにも走りを感じさせるレガシィB4。実はこちらも捜査用覆面だ。隠密行動にはやや不向きな印象だが、犯人を追走するときには、パワフルで安定感の高い走りが、捜査員を大いにサポートするに違いない。なお、BM型レガシィB4は、交通取り締まり用としても全国配備されており、慣れない人には判別が難しいかも。
第4位 警視庁にはスペシャル交パが存在! TOYOTA マークX
先代にあたるマークII時代は幹部用車として使われたが、イカツイ顔のマークXとなってから捜査用覆面として全国に大量配備されている。一方で交通覆面パトカーとしても全国で使われているため、なかなか紛らわしい存在だ。なお、警視庁にとっておきのスーパーチャージャー仕様の交通覆面が導入されている。
第5位「出会えたら幸運?」のレアパト TOYOTA クラウン(200系)
パトカーの代表格ともいえるクラウン。警ら用、交通取り締まり用で多数使われているが、一部には捜査用車両もある。紛らわしいというよりも、出会えたらラッキーなレア車両。なお、アスリートのほうは幹部車として見かけることができる。