■カテゴリー別軽燃費対決、どっちのメーカーが上か?
今、激戦の燃費バトルでトップに立つ軽自動車はダイハツ車か? スズキ車? それとも他のメーカーの車種か? ジャンル別のトップ5を挙げて、燃費で勝っているのはどちらのメーカなのかを見ていこう!
●軽セダン系
ダイハツとスズキが突出した低燃費モデルで競い合っているのが、この背が高くないタイプのセダンクラス。というわけで、ここはダイハツとスズキの一騎打ちとなるわけだが、今回マイチェンしたミライースがアルトエコに0.4kmk/Lの差を付け、軽ナンバー1に返り咲いた。
そうなると、今後はスズキも黙ってはいないだろうが、全ジャンルで燃費トップを狙うといわれているホンダの動きも注目したいところ。なお、ミライースが叩き出した33.4kmk/Lが、各社開発陣の燃費目標となるのは間違いない。
●軽ハイトワゴン
人気の軽自動車でも最も売れているのがハイトワゴンクラスだ。少し前まではムーヴとワゴンRの争いだったが、今年6月に発売した日産デイズ/三菱eKワゴンがムーヴを超える29.2km/Lを達成し、クラストップに。しかし、そのわずか1カ月後に“エネチャージ”のワゴンRが改良によって30.0kmk/Lをマークしてトップの座に立った。もともと激戦のクラスではあっただけに、燃費性能も抜きつ抜かれつ状態だが、現在はスズキが一歩リード。
●軽スーパーハイト
全高1700mm以上の軽ワゴンクラス。ボディが大きいぶん、重量や空力で燃費性能には不利なクラスだが、ハイトワゴンに並ぶ売れ筋だけに、低燃費化にも力が入っている。現在のトップはスペーシア。ライバルのタントに4.0km/L、N-BOXには4.8km/Lの大差をつけている。ここでもスズキがダイハツを抑えて圧勝だ。
●軽1BOXタイプ
表の数値を見てのとおり、ほかのカテゴリーと比べて燃費がよくないのがこの1BOXタイプ。車種も現在は少なく4車種だけという状態だ。しかも、ダイハツとスズキの両社もここでは燃費に力を入れてないのか、ホンダのバモスとホビオにトップを許してしまっている状況。エブリイ、アトレーともに14.4km/Lで両社引き分けだ。
●軽ターボ車
最後はノンターボ車の燃費数値の陰に隠れて、あまり目立たないターボエンジン車のカテゴリー。結果を見てのとおり燃費は意外と接戦だ。ただ、1位は今年のマイチェンでさらに若干燃費を伸ばした27.0km/LのワゴンRスティングレー、2位は26.0km/Lのスペーシアとスペーシアカスタムと、スズキが上位3車までを独占。ダイハツのムーヴカスタムは25.2km/Lとスズキ勢より若干落ちる。
【画像ギャラリー】低燃費性能 低価格化…… 永遠のライバルのダイハツ VS スズキ 軽ガチバトル徹底研究(12枚)画像ギャラリー■ムーヴとワゴンR、買うならどっち!?
ダイハツとスズキの一番の売れ筋がムーヴとワゴンR。ワゴンRが7月のマイチェンで30.0kmk/Lの燃費を実現したのだが、今買うならこの2車、どっちがお薦めなのか?
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燃費は同等で、ノーマルエンジンの動力性能はワゴンRが少し勝る。ムーヴは実用回転域の駆動力が若干弱い。逆に走行安定性はムーヴ。前後の足まわりにボディの傾きを制御するスタビライザーを装着し、旋回時、直進時ともに安定性が高い。乗り心地は両車ともに少し硬めだ。若干ムーヴが快適だが、点数に差が生じるほどではない。
内装の質感はムーヴが勝り、後席の座り心地はワゴンR。さらにワゴンRは後席のスライドが左右独立式で、収納設備も豊富だ。ムーヴは先のマイチェンで、助手席前側のアッパーボックスを省いている。
割安感はワゴンRのFXリミテッド。エアロパーツも装着して価格は抑えた。
これらを総合的に判断すると、買い得度はワゴンRが勝る。
ただしムーヴの安心感が伴う運転感覚はかなり魅力的。特にクルマ好きのユーザー、あるいはバイパスの通行など高速走行の多い使われ方では、動力性能の不満が伴うもののムーヴの価値が際立つ。用途に応じて選び分けたい。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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