2000年に初代が登場し、キープコンセプトのフルモデルチェンジで現在の2代目が登場したのが2007年のこと。そして最新の3代目がガラリと雰囲気を変えて2013年10月24日、正式にデビューした。新型の詳細を、疑問点を解き明かしながら徹底解剖する!(本稿は「ベストカー」2013年11月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:ベストカー編集部/写真:日産
■新型エクストレイル ここが知りたい
Q「これまでのスクエアなボディから、ずいぶんとスタイリッシュなスタイルに変化しているけど、新型エクストレイルはちょっと上級志向になっちゃったの!?」
A「日本以外の欧州やアジア諸国の販売地域では、エクストレイルはちょっと上級のSUVという位置づけなのだという。でも日本ではアクティブに乗って使って楽しむクルマという、初代からのコンセプトを変えることはないと、開発責任者の富岡保氏は断言していた」
Q「ボディサイズはちょっと大きくなったようだけど!?」
A「全長は+5mmの4640mm、全幅は+30mmの1820mm、全高は+15mmの1715mm。そしてホイールベースは75mm延長された2705mm。ただ、曲線を活かしたボディラインのため、見た目で大きさを感じることはない印象だった」
Q「3列シート車が初めて設定されたんですよね!?」
A「ガソリンエンジン搭載の20X(FF&4WD)に3列シートモデルを設定。富岡プロダクトマネージャーによれば、3列シート車の販売は20~30%を見込んでいるとのこと。サードシートはエマージェンシーシートという位置づけで、大人が乗るとギリギリの広さという印象。サードシートは折りたたんで荷室にすることが可能」
Q「防水シートや荷室フロアは受け継がれているのですか!?」
A「富岡PMが“日本仕様では絶対に譲れないポイント”として徹底的にこだわったのが防水シート&ラゲッジなのだという。欧州仕様ではちょっと豪華な印象のクロスインテリアだったが、日本仕様では2列シート車、3列シート車ともに防水シート、防水加工フロア、防水ラゲッジボードが標準仕様となっているので、これまでのエクストレイル同様、アクティブにアウトドアで使うことができる」
Q「エンジンは2Lのガソリンエンジンだけなの!?」
A「クリーンディーゼルは新型には設定されず、その代わりと言ってはなんだが、1年後をメドにハイブリッドが追加される(2列シート車のみ)ことが明言されている。ハイブリッドが登場するまでは旧型ボディのクリーンディーゼルが併売されることになるが、新型は当面は2Lガソリンのみ。富岡PMは、エコユニットとしては新型ではハイブリッドを選択。ディーゼルはエコユニットとして新型に搭載することはないと明言。欧州仕様には1.6&2Lディーゼルが設定されているのに日本向けに設定されないのは残念。調査によるとディーゼル車を購入したユーザーの80%程度は、燃費がよければハイブリッドでもディーゼルでもどちらでもよかったと、ディーゼルにこだわりを持っていない趣旨の回答をしたというのだが……」
Q「2Lエンジンは改良されているのですか!?」
A「MR20DDという形式名が示すとおり、直噴化されたのがポイント。FFも4WDもCVTが組み合わされ、また全車ECOモーター式アイドリングストップが標準装着されている。JC08モード燃費はFF車が従来の12.0km/L→16.4km/L、4WD車が11.8km/L→16.0km/Lへと大幅に向上。一部グレードではエコカー減税100%、その他すべてのグレードで75%減税を実現している」
Q「ところで4WDはなにか新しい技術が投入されているの!?」
A「好評のオールモード4×4iを引き続き採用。運転状況や路面状況に応じて前後トルク配分を100対0から50対50にコントロール。舵角センサーやヨーレートセンサー、Gセンサーからの情報をフィードバックしたコーナリングラインを最適化するための前後トルク配分なども実施。VDC+ブレーキLSDも組み合わせた、高いトラクション性能を発揮する」
Q「新開発のシャシー制御技術が搭載されているけど!?」
A「エンジン出力制御とブレーキ力制御を組み合わせてデコボコ道での車体のピッチングを抑制する“アクティブライドコントロール”、コーナーやブレーキ時にエンジンブレーキを自動的に強く効かせる制御の“アクティブエンジンブレーキ”、4輪独立したブレーキ制御でコーナリング時の車体の動きを安定させる“コーナリングスタビリティアシスト”などを全車に標準装備しているのがポイント」
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さて、新型エクストレイルの発売が開始されるのは12月11日。2013年現在15%程度の販売比率となるクリーンディーゼルは旧型のまま継続販売だ。
コメント
コメントの使い方日産と三菱とホンダの車は、大きくなるたびに総販売台数が落ちてゆく。これ以上大きくならないことを祈る。良いのは初期受注のみ。本誌でも、初期受注のみしか話題にせず、その後はネタにしない。