■エンジン
シカゴで発表されたアメリカ仕様の次期レガシィに搭載されるエンジンは、4気筒2.5Lと6気筒3.6Lの水平対向NA2本立て。ともに、現行のアメリカ仕様に搭載されているエンジンのキャリーオーバーだ。
そうなると、注目されるのは日本仕様のパワーユニット。現行モデルは、2L直噴ターボのDITと2.5LのNAエンジンの2機種。今秋の国内発売では、現行の2エンジンが継続される可能性が高いとみられる。
ただ、日本市場ではハイブリッド人気が過熱している。スバルも昨年、XVに同社初のハイブリッドを投入、販売面でも成功しており、次期レガシィに流用する可能性も捨てきれない。
とはいえ、レガシィセダンだけで3タイプを揃えるのはデメリットが大きい。ハイブリッド投入に合わせて、2.5LのNAがエンジンラインアップから外れることになりそうだ。
300psを発揮するパワフルなDITと、150psの2Lエンジンを13.6psのモーターがアシストするハイブリッドという豪華な2本立てになるとクルマの魅力もアップする。
■ヴァリエーション
ツーリングワゴンがラインアップから外れる次期レガシィ。セダンとアウトバックの2ボディバリエーションとなる。メインのセダンは、標準グレードと上級グレードというシンプルな展開になりそうだ。
グレードを絞り込んで、生産コストを抑える狙いだが、上級サルーンだけにアイサイトは全車標準装備になるだろう。
アウトバックについては、今回出展されなかったが、北米も国内もセダンから少し遅れて新型に切り替えられる見通しだ。搭載されるエンジンは、現行モデルで設定されている3.6Lと2.5LのNAエンジンのキャリーオーバーが有力。ただ、商品力アップのため2LのDIT搭載もありそうだ。
STIバージョンも準備万端、次期モデル発売似合わせてリリースされそうだ。ベース車は300psのDITで、ほかのSTIバージョン同様、前後のエアロパーツで武装する。
なかでもSTIを象徴する大型のリアウイングは迫力満点だろう。そのほかエンジンのファインチューニング、専用サスペンションなどなどで差別化。ビッグサルーンSTIも面白そうだ。
■レガシィの歴史
今日の富士重工の快進撃を支える礎となったのは1989年に登場した初代レガシィであるのは間違いない。
ツーリングワゴンとセダンをラインアップし、フルタイム4WDと水平対向ターボエンジンによる走りの鮮烈さをスバリスト以外にも大きくアピール。
1990年からセダンRSをベースにWRCグループAに参戦し、1993年のニュージーランドラリーでは故C.マクレーがレガシィ最初で最後の1勝を挙げた。
続く1993年登場の2代目では5ナンバーサイズと2L以下エンジンを堅持。2Lターボはシーケンシャルツインターボに進化し、1996年6月に行われたビッグマイチェンでは量産車初の2Lで280psを達成。ワゴンGT-BとセダンRSには日本車初のビルシュタイン製ダンパーを採用していた。SUV色を持たせたグランドワゴンも登場。
さらに1998年登場の3代目でも5ナンバーサイズを維持し、このモデルから全車が4WD車となった。セダンにはB4のサブネームが与えられ、大排気量の3Lエンジン搭載車も設定。SUV系はグランドワゴンからランカスターへと名称を変更した。
そして歴代最高のレガシィと評されるのが2003年登場の4代目。全幅1730mmと歴代初の3ナンバー車となるが、均整の取れたボディデザインと質感の高い内装、軽量化を徹底したことで走りの実力を高め、今なおスバリストからの評価も高いモデルだ。SUV系は新たにアウトバックに改名されている。
現行5代目モデルは2009年に登場。北米市場からの要望に応え、ボディサイズを大幅に拡大。エンジンもデビュー時は2.5L中心で、それ以外はアウトバックに搭載される3.6Lが設定された。
北米市場では人気を獲得したものの国内市場では支持が得られず、2012年5月のマイチェンでは300psの直噴2Lターボを追加設定した。6代目ではワゴンはレヴォーグを後継車としてラインアップから消滅。
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
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