■4気筒エンジン編
メルセデスには前期型と後期型があり、モデル末期に搭載された実績のあるエンジンをフルモデルチェンジした新型に搭載するという手法をとる。ニューモデルには実績のあるエンジンを搭載して、少しでもリスクを避けようとしているのだろう。ニューテクノロジーを投入した新しいエンジンは、新型車発売後のある時期か後期型へのマイナーチェンジで採用するのだ。
そこで、現在C250CGIに搭載されている1.8L、直4直噴ターボも、2.5L V6からモデル中期で取って替わったユニットである。つまり、ダウンサイジングというわけ。
この2つのスペックを比較してみると2.5L V6が204ps/25.5kgmだったのに対して1.8L直4直噴ターボは204ps/31.6kgmを発生。気筒数が2つ減り排気量も約700cc下がったのにトルクは6.1kgmも増大。さらに最大トルクの発生回転数が2900回転から1.8Lターボでは2000回転とより低い回転域で発生。これで運転の質が上がり、市街地も含めて運転しやすくなる。また低回転域で力強いことも追い風となり、過去のデータ表記となるが10・15モード燃費で9.0km/Lだったのが11.4km/L。(現在はアイドリングストップ採用もありJC08モード燃費13.2km/L)。
それに対して4月発売ともいわれているスバルレヴォーグの1.6L水平対向4気筒直噴ターボは170ps/25.5kgm。排気量は200cc小さいが最大トルクの25.5kgmはわずか1800回転から発生する。小型のターボを使い回転数によってタービンへの排ガスの流路を狭くしたり広くするなど可変ジオメトリーに近い制御も行うなどで、実用域での実際のパワー感はクラスを超えたフィーリング。
また気筒数が減るとエンジン振動が大きくなるものだが、水平対向エンジンはピストンなどの回転升が互いの振動を打ち消し合うので直4で必要なバランサーシャフトがいらなくなりシンプルで抵抗が減る。
CVTであることも要因だが、JC08モード燃費17.4km/Lという燃費はすばらしいがレギュラーガソリンでOKというところも世界レベルで一番だ。
(TEXT/松田秀士)
■V6エンジン編
このところスポーティなV6を開発するメーカーがなくなってしまった。ヨーロッパだってアメリカだって、気合いの入ったスポーツモデルとなればV8以上。フェラーリはもちろん、ポルシェやBMWやベンツもV6のスポーツエンジンを持っていない。そんななか、唯一頑張っているのが日産GT-Rでございます。3.8Lという排気量、V6のスポーツエンジンとして考えればギリギリだと思う。4LになればV8じゃないと高回転域で厳しくなるからだ。
GT-RのV6はターボにより6400回転というスポーツエンジンとしちゃ比較的低い回転数で550psを出す。パフォーマンスにはまだ余裕があり、そのためチューニング仕様のGT-R NISMOでは600psをマークする。いずれにしろV6じゃ世界たったひとつの本格的なスポーツエンジンです。
2位はドングリの背比べながら、微妙にスペックで勝るカマロの3.6LV6を上げておく。最高出力327psの最大トルク38.5kgmで、フェアレディZ用の355馬力/38.1kgmにこそ届かないが、低い回転域から太いトルクを出す素性のいいエンジンです。実際乗ってみるとフェアレディZよりパンチ力ある感じ。その割にリーズナブルでございます。
(TEXT/国沢光宏)




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