■4WDのイメージを保ちながら主力車は大きく変化 三菱 主力車の変遷
1990年代の三菱は、卓越した走破性能を誇る4WDのRV軍団が好調に売れた。が、直噴エンジンのGDI戦略でつまずき、「ギャラン」や「ディアマンテ」「パジェロ」は伸び悩んでいる。
これとは反対に1998年に規格を改正し、安全性能を高めた軽自動車は躍進した。なかでも安定した売れゆきだったのが、流行にとらわれない「パジェロミニ」だ。
パジェロの末っ子だが、本格的な4WDシステムを採用し、タフな走りを見せた。ターボ搭載車はパンチがあり、速い。キャビンは今一歩の広さだが、通勤の足としても活躍したし、運転しやすいから女性ファンも多かった。
2010年の主役もRVの流れを汲むクロスオーバーカーだ。この年に車名を復活させた「RVR」は世界戦略車で、走りの質は高いし、アイドリングストップ機能や減速回生システムなど、先進装備を積極的に盛り込んでいる。日常の取り回し性に優れ、ビギナーや女性も運転しやすい。
そして現代の三菱のエースは4WDを主役とする異色のミニバン「デリカD:5」だ。デビューは2007年だが、2019年にビッグチェンジを敢行し、息を吹き返している。2.2Lのクリーンディーゼルを採用するとともに4WDシステムやサスペンションも変更した。安全性能も向上させたから今も安定して売れ続けている。
■人気だったミニバンが消え今はSUVが売れ筋 マツダ 主力車の変遷
2000年を前に鮮烈なデビューを飾り、ヒット作となったのがLクラスのミニバン「MPV」だ。堂々たる大きさで広いキャビンに加え、両側を電動スライドドアとしたから乗降性も優れていた。快適な3LのV型6気筒エンジンを積んでいながら買い得感も高かったのでヒットした。
2010年の主役は、3代目の「デミオ」だ。コンセプトを変えてスタイリッシュなパッケージングに振ったのが功を奏し、モデル末期まで安定した売れゆきを誇っている。2011年にはSKYACTIVエンジンの搭載車第1号となった。ガソリン車でも燃費はいいし、走りもスポーティな味わいだ。
現在のエースは、アーバンSUVの「CX-30」である。キュートなデザインだし、ディーゼルや新しい圧縮着火のSKYACTIV-xなど、エンジンの選択肢も多い。意のままの気持ちいい走りに加え、キャビンも快適だ。先進安全装備も充実している。
■大ヒットしたワゴンRから今はスペーシアへ スズキ 主力車の変遷
今のハイトワゴンブームに火をつけたのが「ワゴンR」だ。2000年は新規格になると同時に登場した2代目のワゴンRの円熟期である。
真摯な改良によってモデル末期まで一級の実力を温存し、毎月1万5000台を超える販売をコンスタントに叩き出した。ターボに目がいくが、NAエンジン仕様も軽快に走る。
2010年は「スイフト」が欧州テイストの軽やかな走りによってファンを増やした。が、主役を務めたのはワゴンRだ。その4代目はインパネシフトのCVTを採用し、スポーティ派の「スティングレー」を投入するなど、若者方向に振った。また、低燃費技術も積極的に採用したから軽ナンバー1の座を守り通している。
2020年はスーパーハイトワゴンが主役だから、ファッション性も高めた2代目の「スペーシア」が主役の座に就いた。スペーシアの走りは思いのほか軽快で、SUV風の外観の「ギア」も人気だ。
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