日産フーガ&シーマ 生き残りへの道 このまま見殺しか…ラインナップ大幅削減!

■生き残りの道はスポーティEVセダンか

 日米は、永年にわたり4年ごとのモデルチェンジや、その間のマイナーチェンジで魅力を刷新する事業を習慣としてきた。一方、欧州の自動車メーカーは、8年前後と2倍の車種寿命を基本とし、永く使い続ける商品開発を得意としてきた。

 そして近年は、日本の自動車メーカーも5~6年といった車種寿命を模索する開発が行われ、日産の方針はそれと逆行するようにも思われる。だが、電動化や自動運転化で変化の激しい時期であり、時代の動きに即した開発の体制が敷かれれば、さまざまな選択肢を追加あるいは削減し、企業活動を活気づけてゆけるかもしれない。

 電動化のなかでも、プラグインハイブリッド車(PHEV)を主力と考えたプラットフォーム戦略は、電気自動車(EV)への移行段階で再度見直しが求められる状況となっているからだ。

 この先、電動化の要請はさらに強まる傾向であり、米国のテスラが「モデルS」や「モデル3」で着実に4ドアセダン(モデルSはリアハッチバックだが)の領域を拡大していけば、日産が世界に先駆け10年の蓄積を持つEVの知見と、モーター駆動と相性のいい自動運転を結び付け、スカイラインはもとよりフーガのような4ドアセダンで上級EVへ進出する戦略が模索できるかもしれない。

2020年7月に発表予定の「アリア」もそうだが、日産は今後電動化を積極的に推し進めていく。フーガの生き残る道もそこにあるかもしれない

 スカイラインはスポーツ群に区分けされているが、EVになれば、静粛性や乗り心地に優れるのみならず、おのずとスポーティな走りとなる。この先さらなる電動化を視野に入れたモデルチェンジがスカイラインで行われるはずで、そのプラットフォームは、フーガやシーマへ拡大展開することも可能であろう。そこには、インフィニティにふさわしいプレミアム性と、技術の日産を誇る商品力を示せる将来性があるのではないか。

 1999年の日産リバイバルプランから、EVの「リーフ」と、「GT-R(R35)」が新たに生まれた。そこから20年を経た今日、業績悪化から日産が立ち直るためには、リーフやGT-Rと同じように独自のフラッグシップが牽引役になるだろう。

 売れ筋の車種だけでなく、時代を拓く先進的で上級なスポーティEVセダンという次の主役の登場を、トヨタ車やドイツ車だけでは飽き足らない消費者も、待ち望んでいるのではないだろうか。

【画像ギャラリー】生き残りのために変化が必要! 日本で苦戦中の日産4ドアセダンたち

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