フォルクスワーゲンの電動ミニバン「ID.Buzz」に、車中泊仕様の「IDカリフォルニア・クルーズ」が登場した。大容量バッテリーを生かした空調や給電機能など、BEVならではの“静かな車中泊”を実現するという。気になるその中身とは?
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:フォルクスワーゲン
【画像ギャラリー】フォルクスワーゲンID.Buzz「カリフォルニア・クルーズ」のその他の写真(6枚)画像ギャラリー伝統の「カリフォルニア」がついに電動化
フォルクスワーゲン商用車部門は2026年のキャラバンサロン(8月28日から9月6日まで開催されたヨーロッパ最大級のキャンピングカー・キャラバン専門見本市)で、「IDカリフォルニア ・クルーズ」を発表した。
1988年に初代がデビューしてから38年、伝統のカリフォルニアがついに電動化の扉を開いた。
現在、フォルクスワーゲンの「カリフォルニア」シリーズはキャディ、トランスポーター(日本未導入)などをベースに作られているが、新たにBEVであるID.Buzzもベース車として活用されることになったのだ。
実はこの発表、唐突ではない。2026年6月、VWはID.Buzz向けの後付けオプション「Gute-Nacht-Paket(以下、おやすみパッケージ)」を静かにリリースしていた。
車中泊向けに用意されたオプションで、残念ながら日本には導入されていない。
オプションの中身は専用ベッドフレーム、車体にぴったり合わせた2.03m×1.2mの折り畳みマットレス、全窓用の遮光セット、テーブルと椅子2脚、フロントサイドウィンドウ用のベンチレーショングリルがセットになっている。そして新開発ソフトウェアの「オーバーナイト・モード」により、最長48時間の空調維持とV2L給電(連続2,000W)にも対応する。
専用モデルなら価格も装備もさらに充実
オプション価格は2600ユーロ(約47万円)からで、6月時点ですでに注文受付を開始していた。
2026年8月時点のドイツ価格を見ると、ID.Buzz (6万1077ユーロ/約1100万円)におやすみパッケージを足すと約6万3677ユーロ(約1147万円)で、IDカリフォルニア・クルーズは6万761ユーロ~(約1094万円〜)となる。
後からオプションを足すより、最初から専用モデルを買う方が約2900ユーロ(約52万円)安いわけだ。IDカリフォルニア・クルーズは、このおやすみパッケージを最初から装備しているモデル、と理解していいだろう。
専用デザインのシート布や外装デカール、専用アプリ機能まで含めて“最初からキャンパーとして作られた一台”に仕上がっている。
給電性能にも差がある。おやすみパッケージのV2Lは連続2000Wのみだが、カリフォルニア クルーズは同じ連続出力は2000Wだが、起動時に瞬間的な大電流を必要とする機器のためにピーク時は3.6kWまで許容される。
目安としては、電子レンジの立ち上がりや、除霜機能付きの冷蔵庫がこの瞬間電力に該当する。余談だが、トヨタは初代エスティマ・ハイブリッド(2006年)でAC100V・1500Wのコンセントを全車標準装備していた。
電子レンジもヘアドライヤーも問題なく動き、非常用電源として被災地で実際に活躍した実績もある。そういう意味で日本人にとっては、さほど目新しい雰囲気はないかもしれない。








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