■欧州プレミアムとの比較はどうなるか!?
SUVのプラグインハイブリッドは、輸入車にも用意されている。まずボルボ「XC60・T8ツインエンジン」を取り上げたい。エンジンは2Lターボ+スーパーチャージャーで、前後にモーターを配置した。後輪はモーターのみの駆動となる。
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モーターの最高出力(前・後)は46ps・88ps、最大トルクは16.3kgm・24.5kgmとした。それでもXC60・T8ツインエンジンは、ターボとスーパーチャージャーを併用するのでパワフルだ。エンジンの最高出力は318ps(6000rpm)、最大トルクは40.8kgm(2200~5400rpm)とされ、4Lの排気量に相当する性能を発揮する。
そのために追い越しや登坂路でアクセルペダルを踏み増すと、力強い加速力が得られる。巡航状態に戻ってアクセルペダルを戻すと、モーター駆動による燃料消費量を抑えた走りが行える。
XC60・T8ツインエンジンが1回の充電で走れる距離は40.9kmとされ、RAV4 PHVの95km、アウトランダーPHEVの57.6km(WLTCモード走行)に比べて短い。ハイブリッド車として走る時のWLTCモード燃費は12.6km/Lだ。
XC60・T8ツインエンジンAWDインスクリプションの価格は944万円になる。ターボ+スーパーチャージャーエンジンの搭載、充実した安全装備、ナッパレザーシートの装着などもあり、価格はRAV4 PHV・Gの約2倍に達した。
BMWはミドルサイズSUVの「X3」に、プラグインハイブリッドの「xドライブ30e」を用意する。エンジンは2Lターボで、109ps・27kgmのモーターを組み合わせた。動力性能は平均的だが、後輪駆動ベースの4WDによる正確性の高い操舵感が特徴だ。
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リチウムイオン電池の総電力量は12kWhで、1回の充電によりWLTCモードで44km(JC08モード燃費は57.2km)を走れる。RAV4 PHVやアウトランダーPHEVに比べると短く、ボルボXC60・T8ツインエンジンの40.9kmよりは少し長い。ハイブリッド走行時のWLTCモード燃費は11.8km/Lだから、ほかの車種に比べると見劣りする。
X3・xドライブ30eの価格は778~781万円だ。輸入車のプラグインハイブリッドは、ボルボも含めて価格が全般的に高めの設定だ。
以上のようにライバル比較をすると、RAV4 PHVはリチウムイオン電池が18.1kWhと大容量で、1回の充電によって走れる距離も95kmと長い。しかも動力性能をRAV4ハイブリッドよりも向上させ、環境/燃費性能だけでなく、運転の楽しさも盛り上げている。
さまざまな機能をバランスよく高め、なおかつ価格設定は、プラグインハイブリッドとして納得できる金額に抑えた。冒頭で触れた納期の遅れが解消されると、PHVはRAV4の人気グレードになるだろう。
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