2019年4月のデビュー以来、安定して高い人気を博しているRAV4。
これまでの2Lガソリンエンジン車&2.5Lハイブリッド車に加えて、2020年6月8日、プラグインハイブリッドの『RAV4PHV』が新たにラインナップに加わった。
プラグインハイブリッドというのは、手っ取り早くいえばEV的にも使えるハイブリッド車。
外部充電(プラグイン)により搭載される大容量リチウムイオンバッテリーを充電することで、長距離をEV走行ができ、走行用バッテリーが一定より充電量が低下した時点でエンジンが稼働し、バッテリーを充電するいっぽう、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車として走行を続けることが可能。
トヨタではプリウスPHVが既に存在するし、三菱のアウトランダーPHEVがSUVしては先輩だ。
トヨタとしてはプリウスPHVに続き2台目の市販PHV。はたして成功するのか。じっくり紹介したい。
文:ベストカー編集部、写真:トヨタ、三菱、池之平昌信
【画像ギャラリー】エコ&インパクトな走行性能をもつRAV4 PHV、いざ出陣!!
エコでも圧倒!! 走りも強烈!!
今回デビューした「RAV4 PHV」は、18.1kWhという大容量リチウムイオンバッテリーを搭載する。
プリウスPHVのバッテリー容量は8.8kWh、アウトランダーPHEVでも13.8kWhだから、いかにRAV4PHVのバッテリー容量が大きいかがおわかりいただけるだろう。
「E-Boosterと呼んでいます。RAV4の魅力を電気の力で加速させる、そんな思いで開発しました」
と、開発を担当した安部朋彦チーフエンジニアは言う。
「プラグインハイブリッド車」というと、どうしても「環境に配慮した省エネ車」というイメージが先行するが、内容を見るとどうも「ターボとかニトロみたいな加速をモーターで」という狙いがあるようだ。
大容量バッテリーで高出力化されたモーターを駆動することでRAV4ハイブリッドを84ps上回るシステム出力=306psを発揮しながらEV航続距離=95km(WLTCモード相当)を実現。
ちなみにプリウスPHVのEV航続距離は68.2㎞(JC08モード)、アウトランダーPHEVのEV航続距離は57.6㎞(WLTCモード)なので、RAV4PHVは圧倒的だ。
プリウスPHVがEVでの航続距離やハイブリッド時の燃費を重視した「エコPHV」なのに対し、RAV4PHVは「エコは当然、さらにインパクトのある動力性能」を目指したPHVだということがわかる。
さてRAV4 PHV、基本となるのはRAV4ハイブリッドの4WDだ。直4、2.5Lエンジンにモーターを組み合わせ、後輪を独立したモーターで駆動する。プラグイン用駆動バッテリーはホイールベース内のフロア下部にレイアウト。
後席下にDCDCコンバーターや充電器を置くことで、後部荷室スペースはRAV4とほぼ同等の空間を維持している。乗員スペースにも違いはない。
フロントモーターはRAV4ハイブリッドの120ps/20.6kgmから182ps/27.5kgmへとパワーアップ。後輪モーターは54sp/12.3kgmで変更はなし。
システム出力は前述のように、RAV4ハイブリッドの222psから84ps高出力化された306psとなる。
試乗に先立つ技術説明では、「インパクトのある動力性能」や「走りのよさ」をアピールする言葉が特に印象に残った。もちろん走りだけではなく、1500Wの外部給電にも対応するので、災害時の電力供給にも活用できる。
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