■今や絶滅危惧種になっている『セダン&ワゴン』
かつて国内販売の主役だった5ナンバーセダンは、車種数を激減させた。トヨタ「カローラ」の継続生産型になる「アクシオ」と、2007年に発売された設計の古い「プレミオ&アリオン」しか選べない。5ナンバーワゴンも少数派で、「先代フィット」をベースに開発されたホンダ「シャトル」と、カローラの継続生産型になるトヨタ「カローラフィールダー」のみだ。
そのなかでお薦め1位は「シャトル」。発売は2015年だが、5ナンバーサイズのセダン&ワゴンでは設計が最も新しい。車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、車線に沿って操舵を支援する機能も備わり、設計の古さを感じにくい。燃料タンクを前席の下に搭載して空間効率も優れ、後席の足元空間はミドルサイズワゴン並みに広い。全高は1545mm(2WD)あって荷室容量も大きい。
次点は「カローラフィールダー」。シャトルは空間効率が高い代わりに、外観もズングリと見えてミニバン風だが、カローラフィールダーはワゴンらしくスマートだ。発売が2012年だから、各種の機能に設計の古さが散見されるが、外観や雰囲気にはシャトルとは違う魅力がある。
■中古で選ぶ5ナンバー車・ベスト5
安心して使える中古車は5〜7年落ちだ。2013〜2015年式になるが、この時代にはコンパクトカーとミニバンを除くと、5ナンバー車が減少していた。つまり今は中古車も選べる車種が減っているが、ここでは新車で買えない絶版の5ナンバー車をお薦めしたい。
お薦め1位は先ごろ生産終了した日産「最終型キューブ」だ。全長が3.9m以下のボディは運転しやすい。和風テイストのガラスルーフには障子を思わせるシェードが備わり、前後のシートはソファ風だから座り心地も柔軟だ。中古車相場は5〜7年落ちが40万〜70万円。新車価格が180万円前後だから割安感もある。
2位はマツダ「ロードスター」。3代目以降は3ナンバー車だから、1998年〜2005年式の2代目となる。5ナンバーサイズのボディに加え、後輪駆動のため走りが楽しい。エンジンは1.6Lに加えて1.8Lもある。なお、ロードスターは各世代にファンがいるから中古車価格が下がりにくい。2003年以降に製造された修復歴のない車両は、15年以上を経過しながら大半の中古車価格が100万円を超える。1.8LのRSは高いので1.6Lで80万円前後の車両を探したい。
3位は日産「ティーダ」。視界の優れた運転しやすいコンパクトカーで、全高も1550mm以下だから立体駐車場を使いやすい。そのいっぽうで後席はミドルセダン並みに広く、内装も上質で小さな高級車の雰囲気がある。最終型の2012年式で、走行距離が4万km前後の車両が40万円前後で流通する。
4位はホンダ「フリードスパイク」。後席を畳み、ボックス状の空間にした時の快適性(就寝のしやすさ)は、現行フリードプラスを上回る。この評判が高く、5〜7年落ちの中古車価格が70万〜130万円になる。安くはないが車中泊には最適だ。
5位はホンダ「ストリーム」。新車では絶滅したルーフの低いワゴン風ミニバンで、運転がしやすく走行安定性も高い。短距離なら多人数乗車も可能で、3列目を畳むと5ナンバーワゴンのように使える。6〜9年落ちの車両が中心で、中古車価格も40万〜80万円と安い。
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