世界的なクロスオーバーSUVブームが続いています。
昨今では(フレームではなく)モノコック構造で作ったクロスカントリー型4WDがSUVであり、それをもっと乗用車寄りにしたモデルが「クロスオーバーカー」だといわれています。
しかし言葉のもともとの意味(「ジャンルとジャンルの垣根をクロスオーバーするクルマ」)を考えれば、SUVに限らず異なるジャンルを組み合わせたモデルは、日本車のお家芸でもありました。
ここでは日本車における「クロスオーバーカー」の歴史をみていきます。
こうして振り返ってみると、日本のクルマは新しいアイデアの宝庫だったことがわかります。
本企画で紹介できたのはほんの一部で、日本市場にはこのほか多くのクロスオーバー車が登場していますが、すべてを掲載するわけにはいかないので、未登場車のファンや元オーナーの皆さまにはご寛恕ください。
※各車名横に記載したのは登場年
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年3月26日号「ニッポンのクロスオーバー45年史」より
■SUBARU レオーネ4WDバン 1972年
【バン+クロカン】ジープタイプしかなかった4WDをバンに搭載し、雪国で大活躍。ご覧のとおり、広報写真なのに悪路走破性を前面に打ち出しておりました。
■TOYOTA スプリンターカリブ 1982年
【ワゴン+クロカン】当時としてはめずらしい全車4WDで登場。広い室内も評判だった。のちに「ある程度の最低地上高を確保したワゴン」を数多く生み出した元祖的なモデル。
■TOYOTA カリーナED 1985年
【セダン+クーペ】今欧州で流行りのクーペフォルムセダンの元祖。デザイン優先で後席は狭く実用性は低かったが、若い世代を中心に大ヒット。他社からの追従も多数発生した。兄弟車にコロナEXiVがあり、そちらも人気に。
■MITSUBISHI デリカスターワゴン 1986年
【ミニバン+クロカン】写真と登場年はスターワゴンの2代目。その後、スペースギア、現在のD:5とコンセプトは受け継がれている。いまだに根強いファン多し。全幅1695mmと5ナンバー枠に収まり、狭い林道を走り抜けるところも人気だった。
■NISSAN テラノ 1986年
【乗用車+クロカン】今でいうSUVのハシリで、クロカン4駆のイメージを一新した。ダットサントラックがベースだったが、フロントサスは独立懸架で乗り心地を向上。日本でも80年代後半のクロカンブームを牽引した。
■TOYOTAハイラックスサーフ 1989年
【乗用車+クロカン】写真は3代目。サーフのネーミングもおしゃれさを後押しした。80年代後半に「乗っているとモテるかもしれない」と夢を見せてくれたモデルの筆頭車種(実際どうだったかは周囲のオジサンに聞いてみよう)。
■MITSUBISHI RVRスポーツギア 1991年
【ミニバン+クロカン】2列シートだったが、巨大な後席空間と余裕のある車高、本格的な4WDシステムを持っていた。武骨なイメージのグリルガードも人気だった。リアドアはスライドドア。ランエボ譲りの4WDターボ「スーパースポーツギア」も設定された。
■HONDA アスコットイノーバ 1992年
【セダン+クーペ】5ナンバーサイズながら伸びやかなフォルムの4ドアHT。フォーマルとスポーティを両立したクルマだった(位置づけとしてはアスコットのスポーツ版)。メーカーオプションで4WSも装備できた。
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