安全の鍵握る歩行者&夜間対応の可否
ここまでのデータからわかることは2つ。そもそも歩行者を検知できないタイプの自動ブレーキだと対歩行者事故を減らすことなどできない。
カメラが付いていないレーザーやレーダーだけの自動ブレーキシステムだと、付いていないのと同じ。歩行者居てもそのまま突っ込みます。自分のクルマのシステムを改めてチェックして欲しい。
もうひとつ。アイサイトは夜間でも市街地程度の明るさなら歩行者を検知できる。けれど歩行者対応タイプと言われている自動ブレーキでも、夜間に使えないケースが多い。
対歩行者の事故は夜間に70%起きてます。Ver.2が事故を50%に減らせるデータから想定すると、夜間の歩行者に対応していない自動ブレーキだと15%しか減らせない。
対車両事故はどうか? 自動ブレーキが最も効果を発揮する追突事故は、対車両事故の3分の1程度を占める。これをどの程度減らせるか、だ。
アイサイトなしのスバル車の追突事故率は1万台あたり56件とのこと。これが停止している車両に対し50km/hノーブレーキで接近し、自動停止できるVer.2装着車だと84%もの事故を未然に防ぐ!
さらに基本的な停止可能速度は同じく50km/hながら、走行中の自動ブレーキ性能を向上させた(高速道路などで先行車が急ブレーキ掛けた時に自動ブレーキ)Ver.3になると驚くべきことに89%もの事故を防いだ。
新世代アイサイトは、70km/hから止まれるポテンシャルを持つそうな。おそらく95%以上の事故を防止できることだろう。
これまた性能の低い自動ブレーキだと厳しい。解析能力が極めて低いレーザーセンサーだけを使っている自動ブレーキは、車速30km/h以上になると誤稼働防止のため機能を停止させてしまう。
つまり、30km/h以上になったら付いてないのと同じこと。事故防止性能からすると、Ver.2の半分以下だと考えていいんじゃなかろうか。
性能低いタイプとは雲泥の差? 最新の高性能自動ブレーキは
また、レーダーを使っているタイプや、最新型車でも簡易型のステレオカメラを使うタイプは50km/hから止まれないクルマが少なからず存在する。アイサイトなら停止できても、性能低いタイプだと追突してしまう。
繰り返すが自分のクルマに付いている自動ブレーキの性能を認識しておくことを強くすすめておきたい。
現在、夜間の歩行者や遮蔽物ある歩行者に対し、高い速度にまで停止できる自動ブレーキが付いているのは、マツダ全モデルと、トヨタと日産、ホンダ、スバルの新世代タイプのみ。
これから新車を買うのなら、ぜひ高い事故防止性能を持っている車種を選んで欲しいと思う。交通事故さえ避けられたならクルマは本当に楽しくて便利な相棒です。
新型レヴォーグに採用された新世代アイサイトに代表される高機能型自動ブレーキは、追突事故以外にも対応している。
見えにくい交差点や駐車場から出て行くときに車両や自転車など居たら自動ブレーキ掛けるし、駐車スペースからバックで道路に出るときも接近車両居たら自動ブレーキ。車線変更時の左右に車両居たら、ハンドル切っても曲がらない。
右折時の交差点に歩行者居れば自動ブレーキ等々、事故の要因を一つずつ潰そうとしている。最新世代の自動ブレーキ付きの車両であれば、おそらく全ての事故を90%以上減らせる(個人的には95%くらいだと考えている)能力を持つ。
クルマは加害性を持っている”道具”だ。買い換えるときは社会のためにも高性能自動ブレーキ付き車を。
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