メーカー、車種によってさまざまなポジション、セレクターレバー形状
概要はこれくらいにして、具体例を見ていくことにしよう。トヨタの標準仕様とハイブリッド仕様で共通の仕様となる直線型のシフトゲートでは、BポジションはDポジションの下に設定される。
ミドルクラス以上やスポーツ系モデルなどでは、Dポジションの脇にマニュアル操作が可能なMポジションを設定している例が多い。
ホンダの新型フィットのシフト機構は、旧型のハイブリッドではボタンとの併用だったが、標準型との兼ね合いもあってか、直線型のレバー式に統一されている。
このあたりは使い勝手やコストの面で決まってくるといえるだろうが、アコードなどのミドルクラス以上の中型モデルやEVのホンダeでは、各ポジションを選択するボタン式となっている。
それでは採用するシフト形状を分別したうえで、車種とシフトポジションの設定をピックアップして見ていこう。
■直線式レバー型
・トヨタライズ、ダイハツロッキー:PRNDSM
・トヨタヤリス:PRNDB
・日産ルークス:PRNDL
・ホンダフィット:PRNDS(ハイブリッド:PRNDB)
・ホンダN-BOX:PRNDL(カスタム:PRNDS)
・ホンダN-WGN:PRNDS
・マツダCX-30:PRNDM
・ダイハツタント:PRNDSB
・ダイハツタフト:PRNDSB
・スズキスペーシア:PRNDL(カスタム、ギア:PRNDM)
・スズキハスラー:PRNDL
・スバルレヴォーグ:PRNDM
■ゲート(スタッガード)型
・トヨタアクア:PRNDB
・トヨタルーミー(ダイハツトール):PRNDSB(ターボ車:PRNDB)
・トヨタアルファード、ヴェルファイア:PRNDM(HV車:PRNDS)
・トヨタプロボックス、サクシード:PRNDSB(HV車:PRNDB)
■電子式セレクター型
・トヨタハリアー:PRNDM(HV車:PRNDS)
・レクサスUX300e:PRNDB
・日産リーフ:PRNDB(セレクター上部にPスイッチ)
・日産キックス:RNDB(Pスイッチ独立)
・日産セレナe-POWER:RNDB(Pスイッチ独立)、(ガソリン車:レバー式 PRNDL)
・マツダMX-30:PRND
■ボタン型
・ホンダアコード:PRND
・ホンダe:PRND
■ダイヤル型
・ジャガーXJ、XF、Fペースほか:PRNDS
・ランドローバー・レンジローバー:PRNDS
個々の仕様をかいつまんで見ていくと、トヨタライズ(ダイハツロッキー)のCVTでは、Sポジションでは坂道走行用として変速のアクセル開度などによる自動制御、Mポジションではマニュアル操作による7速シーケンシャルモード制御を実現している。
マツダのMX-30は同社で初となる電子式セレクターを採用したことは、将来の電動化への対応といえる。
電子式セレクターを採用するEVでは、Pポジションをリーフのようにセレクター上に組み込むなど、Pポジションを別途にボタン式として用意している例も見られる。
ここではとり上げなかった日本メーカーの高級車やスポーツカーメーカーを含む輸入車ブランドのモデルでは、リンケージを介さないバイワイア方式の電子式セレクターが多数を占めることは周知の通り。
たとえば、BMWは最新の4シリーズを含め、センターコンソール奥に電子式セレクターを配置したうえで、Dポジション横にM/Sを設定。Pボタンを別個に設置している。
余談ながら、ポルシェのEVであるタイカンは、ステアリングそばに“極小”のシフトレバーをPポジションのボタンとともに設置している。
ほかのドイツ勢が量産EVモデルのシフト機構を量産車の設計に準じた仕立てとするのに対して、独立したモデルとして大胆ともいえるデザインを施したのは個性の打ち出し方として興味深い。
コメント
コメントの使い方>「B」と「S」ってそもそも何?
ギヤ比設定が違うだけで、D-2-LやD-S-L等との同じもの。
ギヤ比を固定して、下り坂等でエンジンブレーキの効きを良く(体感)する為のもの。
いっそ、1-2-3-4-5-Rのギヤポジションを作ればマニアルシフトのようにも使えるのですが、そんなの作って欲しい。