■最後の自社生産サンバーは凄い!(渡辺陽一郎)
「これは凄い」と驚いたスバル車の筆頭は、OEM車に変更される前の先代サンバートラックだ。
軽トラックながら足回りは4輪独立式で、乗り心地は実に快適。操舵に対する車両の反応も自然で、4気筒エンジンは滑らかに回る。後部に搭載するからノイズも小さい。
「軽トラックとしては」という条件をつけず、乗員と荷物に優しい上質なクルマだった。同じカテゴリーのライバル車同士を比べて、先代サンバートラックほど競争相手に大差をつけて勝つクルマはなかった。
2位はスバル360。発売は1958年で、独創的なモノコックボディにより、4名乗車の可能な居住空間を備えながら車両重量は385kgだ。当時の軽自動車は500kg前後が中心で、スバル360は20%以上軽い。
足回りは4輪独立式で、デコボコの多い当時の道路をしなやかに走った。クルマが急速に進化した時代に、11年間も作られ続けている。その本質は今のスバル車に通じている。
3位は初代レオーネエステートバン4WDだ。水平対向エンジンに4WDを組み合わせたスバルでは最初の市販車で、最低地上高を210mmに設定した外観はレガシィアウトバックの祖先に思える。
ツール感覚と野性味が調和して、今の時代に合った雰囲気も感じる。
4位は3代目レガシィだ。1990年代の中盤以降、ミドルサイズ以上の日本車は海外を重視して次々と3ナンバー車になったが、3代目レガシィのツーリングワゴンとB4は5ナンバーサイズを守った。
視界と運転のしやすさ、走行安定性、居住性などを高水準で調和させていた。
5位は初代インプレッサだ。走りが軽快で、スポーツワゴンは荷室の両側に大きなウィンドウを装着する。デザイン性も優れていた。
以上のようにスバルは、ほかのメーカーとは違う独自のクルマ作りを、ユーザーの視点に立って愚直に、地味に続けている。
■渡辺陽一郎のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…6代目サンバートラック
・2位…スバル360
・3位…初代レオーネエステートバン
・4位…3代目レガシィ
・5位…初代インプレッサ
■いかにもスバルっぽい初代レガシィ(清水草一)
私は非スバリスト。STIの限定モデルにもあまり試乗もできていない。そして新型レヴォーグには乗っていない(よって対象外)。そういう一般ピープルな目から見たベスト5です。
1位は、初代レガシィツーリングワゴン。出た時からカッコいいなと思ってたし、使い込むほど味が出る、いかにもスバルっぽいいいクルマだと思ってたけど、昨年本当に久しぶりにスバルの保存個体に乗せてもらって感動!
乗り味は歴代レガシィのなかで一番濃いと感じて感動しました。その裏には、古いというだけでつい加点してしまう味わいがあるとは思うけど、それにしてもよかった。
アレを超えるスバル車は出てない気がする。燃費を除いて。
2位は、名車と言われる4代目B4の2Lターボモデル。実にスバルらしい男の世界なクルマで、コイツなら高速道路でポルシェと戦える!! みたいな雰囲気ビンビン。実に端正で精悍なクルマだった。あえてB4を選んだ人はカッコイイ!
3位は、日本ではまったく人気のなかった6代目レガシィB4。完全なアメリカンサイズで、日本での販売は最初から捨ててたけど、あのゆったりおおらかな乗り心地はステキだった。
精度の高いアメ車って感じで、でっかいオトコになれる雰囲気で! 全幅を生かしたデザインもカッコいいし。
4位は、初代レヴォーグの後期モデル。私が乗ったのはC型というヤツです。これはBMW的ないいクルマで、4代目レガシィツーリングワゴンの正統な後継モデルの雰囲気だったなぁ。
そして5位は現行XV。SGPのデキはそんなでもないし、パワーも燃費もイマイチだけど、とにかくデザインがいい。これに乗ってる人は知的でカッコいい遊び上手に見える!
ひたすらデザインのよさで5位に入れました。
あっ、唯一所有したスバル車であるSVXが入らなかった……。
●清水草一のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…初代レガシィツーリングワゴン
・2位…4代目レガシィB4 2.0GT
・3位…6代目レガシィB4
・4位…初代レヴォーグ2.0STI Sport
・5位…現行型XV
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