■日本自動車史に輝くスバル360(斎藤 聡)
1位は、戦後の国産自動車史に燦然と輝く名車スバル360。テントウムシの愛称でも知られるこのクルマは、軽量化のために航空機の技術をそのまま持ち込んだモノコックボディを採用し、室内スペースを広げるためトーションバースプリングを採用。
また、横置きのリアエンジンも省スペースのためのレイアウトだった。かわいいだけじゃなく当時の先進技術を満載しているのが理由。
2位には、国内におけるスバルの評価をイッキに押し上げたレガシィツーリングワゴン(初代)を挙げたい。
ツーリングワゴンの一時代を築いたクルマ。完成度で4代目BP/BL型、レガシィらしさで3代目BE/BH型だが、やはり元祖BC/BF型を代表モデルに推す。
ちなみにレガシィからスバルはWRCに参戦を開始。1993年のニュージーランドラリーで1勝を挙げる。
3位はスバルの名前を世界に轟かせた初代インプレッサWRX。レガシィによるWRC参戦を引き継ぐ形で、勝つためのパッケージとして開発されたインプレッサWRX。ここは始まりの1台として、初代となるWRX STiタイプRAを推したい。
4位はインプレッサがWRCで3連覇を遂げたワールドラリーカー97のイメージを再現したSTiのコンプリートカー。
排気量が2122ccあったので、ターボのレスポンスがよくパワーバンドの広い乗りやすいエンジンだった。乗り心地も意外なほどマイルドだったのが印象的。
5位は、異端のスポーツカーとしてアルシオーネSVXを挙げようと思う。
ジウジアーロの手になるデザインで、エンジンは3.3L水平対向6気筒!!
機械的なバランスのよさが作り出すエンジンの上質なフィーリングが、インテリアの高級な仕立てとともに独特の存在感を発揮していた。
バブル崩壊がなければ、水平対向6気筒を武器にスバルは高級車メーカーになっていたかもしれない。
●斎藤 聡のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…スバル360
・2位…初代レガシィ
・3位…初代インプレッサWRX STi
・4位…初代インプレッサ22B STi
・5位…アルシオーネSVX
■S206の刺激度が最高!(片岡英明)
スポーツ度が群を抜いて高いのは、公認チューナーのSTIが手がけ、限定販売しているコンプリートカーだ。
軽量コンパクトな歴代WRX STIをベースにしたコンプリートカーのなかで最も刺激的なのは、ニュルブルクリンク24時間レース出場車のノウハウを結集し、開発したS206である。
公道で気持ちいい走りを愉しめ、4ドアセダンだから使い勝手もいい。素晴らしい接地フィールと正確なハンドリングに魅せられる。
インプレッサでは1996年9月に登場したWRX STiバージョンIIIも魅力的だ。軽量設計だから意のままに気持ちよく走れる。が、これは次点としよう。
2位は今乗っても色褪せない走りの実力を秘め、デザインの洗練度も高い4代目レガシィだ。特にアイサイトを搭載した最終型は足の動きがいいから同乗者も快適だ。
最終型のアウトバックに設定された2.5Lの水平対向4気筒DOHCターボ搭載車は走りの質が高いだけでなく、快適性と安全性も一歩上を行く。
第3位は今も多くの人に愛されているスバル360だ。スバルのクルマ作りの原点となっているファミリーカーで、進歩的な設計だった。
航空機技術を駆使して軽量かつ高強度のモノコックボディを採用し、大人4人が座れる高効率パッケージングにも驚かされる。4輪独立懸架の足もよかった。
第4位は3代目レガシィだ。変革と創造を加え、4WDを極めようとした力作で、大ヒット作となっている。水平対向エンジンに大幅な改良を加え、リアサスペンションはマルチリンク式だ。
また、車両挙動安定制御のVDCもいち早く設定した。
第5位は軽自動車のヴィヴィオだ。上質な4気筒エンジンに自慢の4WDシステムを組み合わせ、走りの実力は軽自動車レベルを大きく超えていた。特にRX-Rは異次元の走りを披露する。
●片岡英明のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…S206
・2位…4代目レガシィTW後期型
・3位…スバル360
・4位…3代目レガシィ
・5位…ヴィヴィオRX-R
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