トヨタに劣勢だった従来型アイサイトの弱点は?
もう少し具体的に説明したい。アイサイトVer.3で厳しかったのは、車両の陰から出てくる歩行者に対する自動ブレーキ性能など。
トヨタの新世代システムを採用した車両を見ると、大人のダミー人形で日本で行われる試験上限速度の45km/h。子どもダミーも試験上限速度の40km/hをクリアしている。アイサイトVer.3、大人が45km/hに届いていない。
ここまで読んで「大人だけ5km/h遅いだけなら許容範囲」と思うだろうけれど、ヨーロッパだと60km/hまで行う。
そして日本と同じシステムを使っている欧州仕様カローラは、自転車も子供の歩行者も夜間であっても60km/hから事故を回避出来る性能を持たせているのだった。アイサイトVer.3だと勝負にならない。
ということがバックボーンにあったのだと思う。世界TOPのスペックを目指した時、日立オートモーティブ製のカメラだと目標性能に届かなかった、ということです。
アイサイトX(後述)を搭載した新型レヴォーグのハンドル握り、オートリブ+オン・セミコンダクターのシステムを使う運転アシストのスイッチ押すと「なるほど~!」。
私は運転アシスト付きのクルマを3台所有している。ボルボ XC60とリーフe+、WRX S4です。3車種とも、アダプティブクルーズをセットしてレーンキープアシストをオンすれば、ハンドルに手を乗せているだけで車線をキープし、先行車が居たら速度をコントロール。
渋滞などのノロノロ走行に出くわしてもストレス圧倒的に少ない。アイサイトXの信頼感や車線の維持性能はハッキリわかるほど高い。
新世代アイサイトは世界トップクラスか
ちなみにアイサイトX、新世代アイサイトをベースに準頭頂衛星『みちびき』や3D高精度地図を使う高度運転支援システムを加えたもの。
ハンドルを握っているかどうか判別するのに静電センサーを使っていることもあり、ハンドルに触れているだけで走ってくれる。
さらに渋滞などで先行車が入れば50km/h以下の車速はハンドルから手を離すことも可能(国際協定によりアイサイトXは日本でも手放し運転が合法になってます)。
「居眠りしたらどうするんだ?」と突っ込みたくなるだろうけれど、車載カメラでドライバーを常時監視しており、よそ見したり目を瞑ったりしている時間長いと警告されます。
少し脱線した。といった高性能システムを持つため、新世代アイサイトは相当期待していいと思う。実は新型レヴォーグの試乗のため恵比寿のスバル本社をスタート。50mくらい走ったあたりで路地から特攻自転車が飛び出してきた。
車道にノーブレーキで出てきたから命知らずだ。私は現役のラリードライバーだからして(笑)、瞬時にブレーキ!
すると、そいつを追いかけるようなタイミングで新世代アイサイトがブレーキ制御してきた。現役のラリードライバー(笑)だって気を抜いて運転することはある。
真横からの自転車に気付くのが1秒遅れたら、完全に新世代アイサイトのおかげで事故を起こさず済んだと思う。この件だけでも新世代アイサイトの実力に脱帽する。
また、急制動に対するブレーキのレスポンスを挙げようとすると従来の負圧(バキューム)を使った、ブレーキサーボではタイムラグ出るということから電動サーボを採用している。これだけで減速の立ち上がりが0.1秒は早くなったという。
以上。新世代アイサイトの性能は現時点で世界TOPクラスだと考えていいだろう。
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