■意外と若い購入者たち
そんなバディの購入者の平均年齢は、比較的に若い43歳。発売直後は、40代がトップだったが、現在は、30代が32%と最多。それに40代と50代が続く。
意外だったのが20代で、12%にも上る。またアクティブシニアと呼ばれる60代以上は、8%と少なめ。やはり多人数で楽しめるクルマということも購買層に影響を与えているようだ。また販売地域は、東京都が19%、愛知県が12%、大阪府が11%と大都市を抱える地域が中心。これに9%の神奈川県が続く。残りは全国各地に散らばっているとのこと。購入者自身は、納期が長いこともあり、生活にゆとりのある医師や会社経営者、自営業者などが多いようだ。
■やはりSUVらしい仕様が人気
人気は、やはり4WDの上級モデル。ハイブリッドとガソリンの最上級グレードだけで、全体の44%を占める。ちなみに購入価格は、ハイブリッドの上級グレード「ハイブリッドDX」だと車両本体価格の約590万円に、約100万円相当のオプションが選ばれており、諸費用まで含めると700万円を超える。
2番人気となるガソリン車の中間グレード「20DX」は、本体価格が50万円ほど安くなり、約530万円だが、こちらも100万円程度のオプションを選ぶ人が多いという。この予算だと国産上級SUVに加え、輸入車SUVでも幅広い選択肢があるだけに、購入者のバディへのこだわりを感じさせる。
高額なオプション代の理由のひとつがボディカラー。バディには、6色の標準色に加え、オプションのモノトーン6色と、2トーン6色が用意されている。その中でもオプションの2トーンの人気が高く、なんと全体の約35%を占める。そのオプション塗装代は、48万9000円。さらにクラシックな雰囲気を高めるオールテレインタイヤ&ビンテージホイールのセットが26.4万円となっており、これらを組み合わせるだけで、約75万円にもなる。
渡部氏は、2トーン人気はバディを楽しく乗りたいという顧客の気持ちの表れだと分析する。実際、一人だけでなく、家族や恋人、仲間などと楽しめるSUVであることから、展示会にも家族連れや女性同伴の来場者が多く、彼女たちには2トーンカラーの人気が高く、その声も反映されているのではないかとのこと。女性からも前向きな支持を受けていることもバディ人気の秘密かもしれない。
■バディ人気の秘密は!?
バディの販売好調の背景には、日本でも年間50万台を超えるSUV市場の大きさもひとつの要因といえる。しかし、それだけでは割高で長い納期となるバディを選ぶ理由には、ならないだろう。やはり幅広い世代に支持されるアメリカンヴィンテージの文化も影響も大きいと分析する。
昨今、雑貨や家具、住宅などでアメリアンヴィンテージスタイルのものの人気は高い。当然、そのスタイルを好む人たちは、アメ車にも憧れが強いはずだ。しかし、往年のアメリカンSUVは、ボディサイズに加え、故障などの維持の不安もある。
またユーザーが必ずしもクルマに詳しいとも限らない。そこで見た目は当時のSUV風だが、中身は最新の国産車であるバディは絶好の存在に映ったに違いない。もちろん、国産車だから、普段も家族の足として活用できる。価格さえ納得できれば、これほどの選択はないのだろう。
また光岡自動車創業50周年記念車として送り出された『ロックスター』からもわかるように、光岡のアメリカンスタイルは、アメリカンヴィンテージ好きのツボをしっかりと押さえている。もちろん、彼らも本物志向は強いと思われるが、修理に悩まされたら、自分の予定を犠牲にすることにも成りかねない。だからこそ、自分の生活スタイルを豊かにしてくれるクラシックスタイルのバディが支持されるのだろう。
自分の描くライフスタイルを満喫するためのよき相棒となると期待されている。それだけに2021年に、バディを街角で見かけるようになれば、さらなる人気に繋がるかもしれない。
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