中国でテスラ超えの大ヒット! 激安EV「宏光ミニ」をなぜ日本メーカーは作れないのか!?

■日本のメーカーは低価格EVを作ることができる!? それとも!?

 当然ながら日本の自動車メーカーだって考えている。

 先日トヨタが『C+pod(シーポッド)』という超小型モビリティを発表した。全長2490×全幅1290mmと宏光MINIよりさらに小さく、実用航続距離は100km程度。最高速60km/hで171万6000円だという。すべてのスペックで宏光MINIに勝てず、決定的に高価。理由は簡単で、生産台数少なく電池も高いためだ。

 宏光MINIはすでに年産40万台規模。これからさらに増えていくことだろう。100万台規模になるかもしれない。かたやシーポッドと言えば、171万円だと誰も買わないと思う。地方自治体に押しつけ、少なからぬ補助金を出したとしたって年間1万台のラインに乗せることだって難しいと思う。その台数じゃ安くなるワケない。

 バッテリーだって高価だ。シーポッドは日本製のリチイムイオン電池を9kWh分使う。宏光MINIの電池をみると正極に鉄系(Fe)を使うタイプ。安くて安全で耐久性が高い反面、今まで性能的に低いと言われてきたものの、最近中華技術で電気自動車に使えるレベルになってきた。宏光MINIも安価な新世代のリチウムFe電池を使っている。

宏光MINIEVの透視図。電池のリアシートの床下に電池は搭載されている模様。電池を乗せる前提の為、骨格はしっかりとしているようだ
宏光MINIEVの透視図。電池のリアシートの床下に電池は搭載されている模様。電池を乗せる前提の為、骨格はしっかりとしているようだ

 日本の自動車メーカーがこの2つのハードルを超えるのは難しいと思う。発想を変え、宏光MINIを日本で売ったらどうか。日本人が納得するクオリティにするため100万円になったとしても競争力あります。登録は軽自動車でなく国交省の定める『超小型モビリティ(認定車)』になる。これだと宏光MINIのサイズで問題なし!

軽サイズ、4人乗りといえば、日本ではi-MiEVが唯一当てはまるかもしれない。しかし、2018年に拡幅して普通車化した上、宏光MINIEV約5台分の価格では魅力に欠ける<br>
軽サイズ、4人乗りといえば、日本ではi-MiEVが唯一当てはまるかもしれない。しかし、2018年に拡幅して普通車化した上、宏光MINIEV約5台分の価格では魅力に欠ける

 超小型モビリティの上限定格出力は8kW(11馬力)となっているが、最高出力218馬力の日産『リーフe+』の場合、定格出力表示で116馬力。宏光MINIは最高出力27馬力のため、少しパワーダウンすることで定格8kW程度になる。最高速60km適合は、ほかのジャンルと同じく70km/h程度でリミッターを稼働させればいいだろう。

 もちろん超小型モビリティなら、税金がさらに安価になるためランニングコストは軽自動車より低い。70km/hしか出ないため高速道路こそ走れないものの、そこまでの加速は軽自動車に匹敵すると考えてよかろう。

 以上、宏光MINIが日本に入ってきたら売れる予感しかない。日本政府は、中国から「日本で認可して欲しい」と言われたら断れないと思う。

【画像ギャラリー】シンプルイズベスト!? 中国発小型EVの示す脱炭素社会モビリティのカタチ

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