ホンダオデッセイ終わったのか!? まだ終わってない!! 凋落したビッグネームの復権のカギ

■今後の発展のためにPHEVの設定が必須

 マイナーチェンジ後、販売台数を4桁に回復したオデッセイの購買状況を見ると、ハイブリッド車とガソリンエンジン車の比率は、66.7:33.3である。また、7人乗りと8人乗りでは、34:66。

 グレード別では、上級のアブソルートEXが81%だ。また、発売された福祉車両では、2列目のサイドリフトアップ車が26台、助手席のアップシート車が11台とのことだ。

写真はサイドリフトアップ車。背高ミニバンかつ低床設計であるオデッセイは、比較的に乗り降りがしやすいクルマと言える。乗り降りがしやすいのも、高齢化社会におけるミニバンの価値だろう
写真はサイドリフトアップ車。背高ミニバンかつ低床設計であるオデッセイは、比較的に乗り降りがしやすいクルマと言える。乗り降りがしやすいのも、高齢化社会におけるミニバンの価値だろう

 ここから見えてくることは、電動化への期待が高いこと。7人乗りの2列目キャプテンシートより、実用性を重視する2列目ベンチシートが好まれていること。

 いっぽうで、装備がより充実している上級車種が好まれている。そして、福祉車両への需要も起こりはじめていることだ。

 この先のオデッセイの発展性を考えれば、電動化をより進めたプラグインハイブリッド車(PHEV)を早く手掛ける必要があるのではないか。

 それによって暮らしの安心とミニバンが繋がることになる。PHEVから住まいへの給電を行うことで、停電が起きても電気を使える環境を保持できるからだ。

 またチャージモードを搭載すれば、ハイブリッド走行をしながら充電し、帰宅したら停電した住まいに給電することも可能になる。スマートフォンはもとより、電気に依存した現代の生活への安心は欠かせない。

 こうしたクルマと暮らしの関係は、2輪・4輪・汎用の事業を持つホンダであればこそ、総合的に未来像を描けるのではないか。

■挑戦する姿を見せることが重要

 クルマのある暮らしを彩るという点において、ホンダアクセスの取り組みはいつも注目させられる。研究所とホンダアクセスの共同開発というのも、モビリティの新たな何かを生み出すかもしれない。

ビッグマイチェン後モデルにも、既にホンダアクセス製のカスタムパーツが出ている。外装では写真の様に「よりスポーティで色気のある」仕様を目指している
ビッグマイチェン後モデルにも、既にホンダアクセス製のカスタムパーツが出ている。外装では写真の様に「よりスポーティで色気のある」仕様を目指している

 高齢化社会がこれからさらに本格化するなか、床が低く足を踏み入れやすく、背の高さによって体をあまり屈めなくても乗れるミニバンは、福祉車両に限らず、ユニバーサルデザインの視点においてもミニバンの価値は残るのではないだろうか。

 初代オデッセイは、クリエイティブムーバー第1弾であった。研究所と、広告担当のホンダコムテックが協力して、クルマの新しい価値を創造(クリエイティブ)したのだ。

 いまは、クルマと暮らしを結び安心と喜びをもたらすクリエイティブムーバーに、オデッセイはなれると思う。SUVより広い空間が、モビリティとしての拡張性を持つ。

 そうした挑戦する姿こそ、消費者がホンダに目を向け、ホンダを選ぶ動機付けになっているはずだ。

 ミニバンが売れない、オデッセイが売れないではなく、オデッセイのブランド力を回復させ、ホンダという企業の特徴を活かした商品の総合戦略が求められているのではないか。

【画像ギャラリー】ブームをけん引した初代から最新モデルまで!! 蔵出し画像で振り返るホンダオデッセイの25年超の歴史

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