初代の魂は宿っているのか!? 現役名門車の「初志貫徹度」

ヤリス(ヴィッツ)

 初代ヴィッツは、それまでのスターレットとターセル、コルサ、カローラIIを統合したコンパクトカーとして1999年に登場。

 トヨタのフランス工場で生産される国際戦略車という使命があったこともあり、当時の日本車とは一線を画す雰囲気の明るい内外装を持っており、クラスレスな魅力を備えていた。

 また登場時は1Lの4気筒エンジンのみでスタートしたバリエーションも1.3Lやスポーツモデルの1.5Lが追加されたほか、入門カテゴリーのモータースポーツを支える存在としても貴重な存在だった。

現行型ヤリス(2020年~/全長3940×全幅1695×全高1500mm)
現行型ヤリス(2020年~/全長3940×全幅1695×全高1500mm)

 2019年に車名をヤリスに変えた現行モデルは、ボディサイズこそ全長3940mm×全幅1695mmとヴィッツに比べると全長が300mmほど、全幅も35mm拡大したものの、これでも現在のコンパクトカーでは平均的なサイズ感。

 また、ヤリスは塊感あるスタイルやシャープな走り、驚愕レベルのハイブリッドの燃費の良さ、充実した安全装備など強いインパクトやクラスレスな魅力も感じられ、ヤリスになって、初代ヴィッツを思い出させるところが多数あるだけに初志貫徹度は高い。

マツダ3(アクセラ)

 2003年にファミリアの後継車として登場した初代アクセラは、ボディサイズこそハッチバックで全長4400mm×全幅1745mmと3ナンバーサイズとなったが、アクセラが属するCセグメントのボディサイズ拡大もあり、国際的に見れば標準的な範囲に収められていた。

 初代アクセラは、当時マツダがフォード傘下にあったこともあり、プラットホームがフォードグループで同車格のフォード フォーカスやボルボS40&V50にも使われるなど、その役割は重要だった。

 また、初代アクセラ自体はCセグメントカーとしてオーソドックスなモデルだったが、ヨーロッパでも販売されるモデルだけに活発に回るエンジンやシャープなハンドリングもクルマ好きには高く評価された。

現行型マツダ3(2019年~/全長4460×全幅1795×全高1440mm※ファストバック)
現行型マツダ3(2019年~/全長4460×全幅1795×全高1440mm※ファストバック)

 アクセラは2019年登場の実質的に4代目モデルとなる現行型から車名をマツダ3に変えると同時に、コンセプトも「主に内外装からエモーショナルという魅力を強調するCセグメントカー」となった。

 マツダ3は、このクラスとしてはリアシートが狭く、走りも新エンジンとなるSKYACTIV-Xの注目度は高いものの、それ以外はごく普通で、強い魅力を感じるとすればやはり内外装というコンセプト通りのクルマとなった。

 コンセプト通りのクルマになったというのはいいことだが、初代アクセラとの共通性は薄いといわざるを得ない。

フォレスター

 1997年に登場した初代フォレスターは、初代インプレッサベースのSUVという成り立ちだが、SUVながら全高が1600mmを切る現在のクロスオーバーに通じるところもあるモデル。

 キャビンは広くないものの、乗用車ベースのSUVとは思えないほど高い悪路走破性と乗用車に限りなく近い走行性能を両立するという強いキャラクターを持っていた。

現行型フォレスター(2018年~/全長4625×全幅1815×全高1715mm)
現行型フォレスター(2018年~/全長4625×全幅1815×全高1715mm)

 2018年に登場した5代目の現行型は、ボディサイズの拡大は世の中の流れを考えれば許容できる範囲ながら、3代目モデル以降全高が約1700mmと高く、キャビンの広さと引き換えに初代フォレスターの持っていたキャラクターは薄くなり、オーソドックスなSUVになったという印象は否めない。

 ただ前述したように初代フォレスターをクロスオーバーとして見れば、フォレスターが4代目モデルとなった2012年からスバルのラインナップにクロスオーバーのXVが本格的に加わったこともあり、2代目モデルまでのフォレスターの後継車的なモデルを用意している点はそれなりに評価できる。

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