死傷事故減少を目指しバックカメラの義務化が決定! データでわかったその効果の実態

■後退事故を防ぐには、駐車スペースでの後退駐車など守るべき原則がある

 後退して発進するような状況の場合は、乗り込む直前にクルマの後方の状況を確認することだ。これは運転免許を取得する際、教習所で習っているハズなのだが、運転に慣れ、クルマでの移動が習慣になるに従い、おっくうなのもあって、ついつい怠りがちだが、忘れないようにしたい。

 そして前進して車止めに止める習慣を付けないこと。スーパーなどの駐車場で見かけるが、ドライバーの中には後退して駐車するのが苦手な人が一定数存在する。前進しての駐車もスペースからはみ出さなければいいだろう、という考えなのだろうが、車止めに後輪を当てるのか、前輪を当てるのかで危険性は大きく変わることを知っておいてほしい。

スーパーやコンビニなどの駐車場で前進駐車を多く見かける。確かに止めやすいかもしれないが、出発時の危険度からいえば後退駐車の比ではない事故リスクがある(xiaosan@AdobeStock)
スーパーやコンビニなどの駐車場で前進駐車を多く見かける。確かに止めやすいかもしれないが、出発時の危険度からいえば後退駐車の比ではない事故リスクがある(xiaosan@AdobeStock)

 前進駐車の場合、止める時には問題ないが、発進時には必ず後退して駐車スペースから出ることになる。この時、周囲のクルマによって視界はかなり遮られるから、例え振り返って目視していても、歩行者や自転車、他のクルマが突然視界に入っていることになる。片方にばかり気を取られて、もういっぽうの斜め後方からの接近に気付くのが遅れれば、衝突してしまう可能性が高まる。

 最近のクルマには、こうした後退時に斜め後方からの接近を知らせる警報装置が備わっているものもある。これはこうした危険から事故を予防するものではあるが、これも万全ではないし、そもそも前進駐車する習慣をなくしたほうがはるかに安全につながる。

■後退時の安全確認は目視が大前提。モニターにも死角はある事を認識しよう

 駐車場などに止める時に後退する場合、まず前進で止めるスペースに近付いている時点で、その場所の周囲の状況を把握することが大事だ。近くに歩行者や自転車などがいれば、それが近付いてくる可能性があるかないかで、その後どれだけ注意しなければならないか判断できる。

 バックモニターを装備しているクルマには、後退時のクルマの軌跡を表示して誘導してくれるものも多い。ステアリングを切ると軌跡がグィーンと曲がって、そのあとのクルマの進路がイメージできるのだ。それでもバックミラーやルームミラーを見て、バックカメラの映像には映らないエリアの安全をチェックすることも忘れないようにしたい。しかもミラーをただ見るだけではなく、覗き込むように上半身を動かすのも大事だ。

 実は、同じことは前方視界にも言える。Aピラーが太いクルマは、どうしても死角ができやすい。交差点の右折時などは特に、上半身を動かして確認し、死角をなくすようにすることが大事。特に小柄なドライバーは、着座位置が前寄りでAピラーが近くなる分、遮る範囲が広くなるので、気を付けたい。

クルマの死角は必ずある前提で、目視とバックモニターをうまく組み合わせて確認を実施し、うっかり事故を起こさないように気をつけねばならない(phpetrunina14@AdobeStock)
クルマの死角は必ずある前提で、目視とバックモニターをうまく組み合わせて確認を実施し、うっかり事故を起こさないように気をつけねばならない(phpetrunina14@AdobeStock)

 実は筆者もミラーでは見えない障害物により、後退時にクルマをぶつけてしまった経験が2度ほどある。1つは後席中央に乗員が居たために後方の電柱が隠れて見えず、思い切り電柱とぶつかってしまったこと(これは20代でのこと)。そしてもう1つは初めて訪れたコンビニの駐車場で、低いガードパイプに気付かず後退してぶつけてしまったのだ(これは割と最近)。

 こうしたうっかりミスによる接触事故は、バックカメラを装備すれば防げるものだ。それでも、駐車の後退時にはさまざまな危険が周囲に存在する。駐車場内では徐行するのは基本だが、これが出来ていないドライバーは多い。そして後退する時にはクリープでブレーキを軽く掛けながら、時々はクルマを停止させて安全を確認し、駐車スペースにクルマを収めるようにすることだ。

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