ハイブリッド車やアイドリングストップなど…じつはエコじゃなかった事実 4選

アイドリング・ストップが、エコ運転の邪魔になることも

 アイドリング・ストップ機能は、赤信号や渋滞時など、一時停車した際の燃料消費を止め、CO2排出を削減するメリットがある。JAFによると、10分間のアイドリング・ストップで、燃料は133g削減できるそうだ。しかし、停止と発進を頻繁に繰り返すような渋滞だと、不利になる場合もある。

 一般的には5秒以上停車する場合だと、アイドリング・ストップした方が燃料消費は少ないが、それ以下の間隔では、かえって燃料を消費してしまう。

アイドリングストップはCO2削減に有効とされていたが、その弊害も起きている(PHOTO/Adobe Stock_taka)
アイドリングストップはCO2削減に有効とされていたが、その弊害も起きている(PHOTO/Adobe Stock_taka)

 また、交差点の右左折待ち、踏切の一時停止など、スムーズに発進したいときにアイドリングがストップしてしまうと、急いで再発進しようとするため、アクセルペダルを必要以上に踏み込んでしまい、余計に燃料消費する、ということにもなりかねない。

 さらにはアイドリング・ストップ車用のバッテリーは、アイドリング・ストップ非装着車用のバッテリーよりも、1.5倍ほど高価であり、寿命も短い傾向がある(筆者の所有するアイドリング・ストップ付のクルマも、約1年半でバッテリー交換をすることになった)。

 高性能バッテリーの消耗が早まることは、環境負荷にもなりかねない。つまり、アイドリング・ストップも「絶対的な正義」とは言い切れない。

「ふんわりアクセル」も場合によってはエコじゃない

 また、環境に配慮したクルマの運転方法として、経済産業省などが推進している「エコドライブ」のひとつである「ふんわりアクセル」も、車列の中で行うと、逆効果となりうる。

 スタート直後に20km/hまで5秒間かけてゆっくりと発進する「ふんわりアクセル」は、例えば、右折矢印の出る交差点でふんわりアクセルを実行すると、10台右折できるところが8台しか右折できない、ということも考えられる。

時と場合、周囲の状況に合わせて、ふんわりアクセルをするようにしたい(PHOTO/Adobe Stock_Imaging L)
時と場合、周囲の状況に合わせて、ふんわりアクセルをするようにしたい(PHOTO/Adobe Stock_Imaging L)

 自分自身はふんわりアクセルで燃費を稼ぐ一方、後続のクルマが信号で引っかかり、交通の流れを阻害する原因にもなる。交通の流れに合わせて、力強い加速をした方がエコな場合もあるのだ。

加減速の少ない滑らかな運転を心がければOK

 「エコノミー」については、計算をすればわかることだが、「エコロジー」かどうかを判断するには、いろいろな要素を考える必要があり、なかなか難しい。

 クルマの環境技術については、今後のさらなる進化を期待しつつ、運転操作に関しては、あまり難しく考えずに、加減速の少ない滑らかな運転を心がけつつ、必要に応じてアクセルを踏んで対応する、というのが最も賢いと筆者は考える。

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