2020年4月、新型コロナウィルス感染拡大を受け、全国に緊急事態宣言が発出された。あれから約1年が経過するが、現在もコロナウィルスは、私たちの生活に大きな影響を与え続けている。
特に販売現場では、コロナウィルスへの感染予防に余念がない。苦労の絶えない日々ではあるが、コロナ対策が、新しい自動車販売のカタチを提案しているように筆者は感じる。自動車販売現場に長く携わっていた筆者が、販売現場の今と、これからの姿に迫る。
文/佐々木亘
写真/編集部、Adobe Stock(トビラ写真=dusanpetkovic1@Adobe Stock)
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■コロナから1年、クルマは売れなくなったのか?
ここ1年で、新車販売が最も苦境に立たされたのは、2020年5月だ。日本自動車販売協会連合会が発表する新車月別販売台数は、12万3781台(登録車・乗用普通車、小型車合算)となった。これは、前年同月比58.2%と極めて少ない販売台数だ。
以降2020年9月まで、新車販売台数が、前年同月比100%を割り込む状態は続き、販売現場は苦境に立たされてきた。
下火だった新車販売市場は、2020年10月から回復する。新車月別販売台数は22万1487台となり、前年同月比134.5%と大幅アップした。以降、新車販売台数はコロナ前の水準に戻っている。
販売店も安心して来店してもらえる環境づくりを進めている。
店舗入り口に消毒液を設置するのは、もはや当たり前。商談テーブルへのパーティションの設置、キッズスペースの撤去、商談スペースや待合スペースでは、テーブルとイスの間引きを行い、さらには営業時間の短縮を行う店も少なくない。密や人と人との接触機会を、極限まで削っている。
顧客と、対面接触の機会を増やしたいのが販売店の本音だろうが、接触機会をできるだけ減らしながら、営業を続ける。このようななかでも、売り上げが堅調に推移するのは、コロナ禍での新しい営業スタイルが、業界内にも世の中にも浸透しつつあるからではなかろうか。
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