■期待以上だった車種/スズキ ソリオ
●2021年1~4月の1ヵ月の平均登録台数:5396台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:4000台
登録台数自体は特に多くないが、スズキが軽自動車中心のメーカーであることも考えると売れ行きは好調で月販目標も上まわる。
人気の理由は、全長を3790mm、全幅は小型車の中でも特に狭い1645mmに抑えて運転しやすく、全高は1745mmに達するから車内は広いこと。スライドドアと多彩なシートアレンジで、2列シート車ながら使い勝手はミニバン並みに優れている。
主力グレードにはマイルドハイブリッドを搭載して、WLTCモード燃費も19.6km/Lと良好だ。運転支援機能も選べる。
■期待以上だった車種/日産 ノート
●2021年1~4月の1ヵ月の平均登録台数:8460台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:8000台
ヤリスに比べて登録台数は少ないが、現行ノートはハイブリッドのe-POWERのみを搭載して、ノーマルエンジンは用意されない。そこを考えると売れ行きは堅調だ。
e-POWERは従来以上に動力性能に余裕が感じられ、加速も滑らかだ。ドライバーによって好みは分かれるものの、アクセルペダルだけで速度を幅広く調節できる。プラットフォームの刷新によって走行安定性も向上した。内装の質も高まり、優れたコンパクトカーに仕上げた。
また今の日産には好調に売れる車種が少ないため、新型車のノートに日産車ユーザーの需要が集中した事情もある。
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■期待を裏切られたクルマ/ホンダ フィット
●2021年1~4月の1ヵ月の平均登録台数:6065台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:1万台
続いて大きな期待していたのに、期待を裏切られた部分が目立つクルマを取り上げたい。
フィットの2020年2月の発売時点で公表された販売計画は1ヵ月当たり1万台だから、翌年1~4月の1ヵ月平均が6065台に留まるのは辛い。
フィットは全長が4mを下まわり、全高も立体駐車場を使いやすい高さに抑えながら、燃料タンクを前席の下に搭載したから後席と荷室には十分な広さがある。視界も良く、優れた機能を備えるのに売れ行きは伸び悩む。理由は2つある。
1つ目は、現行型になってフロントマスクやインパネのデザインが大幅に変更され、見慣れない印象になったこと。2本スポークのステアリングなどは、今のクルマでは珍しい。
2つ目の理由は、1ヵ月平均の届け出台数が2万台近いN-BOXに需要を奪われていること。フィットのNAエンジン車の価格は、N-BOXの上級グレードと重複するから、互いに競争関係に陥った。2021年1~4月に国内で販売されたホンダ車の内、57%が軽自動車だったから、フィットも影響を受けている。
それにフィットがヤリスに大きく水を開けられた要員の1つに燃費があるだろう。ヤリスとフィットのハイブリッド車同士を比較してみると、ヤリスHVの36.0km/Lに比べ、フィットe:HEVは29.4km/Lと6.9km/Lと大きく水を開けられているのだ。
■燃費のよい乗用車ベスト10(普通・小型自動車部門)
1位:トヨタ ヤリス/36.0km/L
2位:トヨタ プリウス/32.1km/L
3位:トヨタ ヤリスクロス/30.8km/L
4位:トヨタ カローラスポーツ/30.0km/L
5位:トヨタ アクア/29.8km/L
6位:日産 ノート/29.5km/L
7位:ホンダ フィット/29.4km/L
8位:トヨタ カローラ/29.0km/L
8位:トヨタ カローラツーリング/29.0km/L
10位:ホンダ インサイト/28.4km/L
※WLTCモード燃費
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