■期待を裏切られたクルマ/日産 キックス
●2021年1~4月の1ヵ月の平均登録台数:4065台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:公表していない
登録台数は1ヵ月平均で4000台を超えたが、ヤリスクロスやライズに比べると半分以下だ。販売が伸び悩む一番の理由は、グレード構成と価格にある。
輸入車でもあるから、選択肢を抑えるために、割安なノーマルエンジンは用意されない。e-POWERのみになり、駆動方式も2WDに限られる。
運転支援機能のプロパイロットなどは標準装着したから、価格が最も安いXでも275万9900円になる。これでは売りにくい。
■期待を裏切られたクルマ/ホンダ N-ONE
●2021年1~4月の1ヵ月の平均届け出台数:2511台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:2000台
2020年11月に発売された設計の新しい軽自動車だが、2021年の1ヵ月平均届け出台数はN-BOXの約13%に留まる。
売れない理由は2つある。1つ目は、新型にフルモデルチェンジしたとは思えないことだ。
開発段階では別の外観も検討したが「外観を変えるとN360をモチーフにしたN-ONEらしさが薄れる」「コストダウンも図りたい」という理由で、外装の樹脂部分以外は先代型から流用した。そのためにプラットフォームまでN-BOXと同じタイプへ一新したのに、マイナーチェンジのように見えてしまう。
2つ目の理由は割高な価格だ。N-WGNと同等の装備を持ったグレード同士で比べると、N-ONEは16万円以上高い。RSの価格は199万9800円に達する。
■期待を裏切られたクルマ/マツダ MX-30
●2021年1~3月の1ヵ月の平均登録台数:803台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:1000台
比較的コンパクトなSUVで基本部分はCX-30と共通だが、内外装を穏やかなデザインに仕上げた。マイルドハイブリッドと、電気自動車の仕様がある。
従来のスポーティなマツダ車とは異なる路線を開拓すべく企画されたが、観音開きのドアを採用したこともあり、商品の特徴や魅力が分かりにくい。
貴重なチャレンジなのに、MX-30は埋もれた。リラックス感覚で開発される背の高いコンパクトカーなど、これから登場するMX-30路線の新型車に期待したい。
■期待を裏切られたクルマ/ホンダ アコード
●2021年1~3月の1ヵ月の平均登録台数:278台
●発売時点の月販目標(月販計画)台数:300台
海外向けのLサイズセダンで、国内市場のことは考えていない。しかも現行型は、北米の登場から2年半も経過して国内で発売された。その間、国内では安全性の劣る旧型を売っていた。
また今のホンダの国内販売は、軽自動車比率が50%を大幅に上まわり、そこにフィットとフリードを加えると、国内で売られるホンダ車の70~80%に達する。
今のホンダのブランドイメージは、小さな安いクルマのメーカーになったから、アコードを売るのは難しい。そこで1ヵ月の販売計画もわずか300台だ。
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