いざというときのために覚えておこう! 災害時にはガソリンスタンドが安全!!


 あの東日本大震災から10年。しかし10年経ったいまも、(気象庁は「余震と考えられる」という発表をやめたようですので、東日本大震災の余震かどうかはわかりませんが)東北地方では地震が多く発生しており、また、東北だけでなく、「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」など、北海道から沖縄まで、日本列島はいつどこで巨大地震が起きてもおかしくない、といわれています。日本に住む限り、地震への備えは常にしておかなければなりません。

 地震などの災害発生時の「避難場所」といえば、近くの公民館や学校を思い浮かべる方が多いかと思います。もちろん、長期的な避難場所としては、それらが適していると思われますが、たとえば、地震の揺れが続いているとき、また周囲で火災が発生しているときの「とりあえず」の避難場所としては、公民館や学校がいつも正解とは限りません。

 そんなとき、実はガソリンスタンドが、頼れる存在なのです。

文:吉川賢一
アイキャッチ画像:Adobe Stock_ beeboys
写真:Adobe Stock、写真AC

【画像ギャラリー】災害時に頼れるガソリンスタンドの設備をクイックチェック!!


ガソリンスタンドが「延焼を食い止めた」

 ガソリンスタンドは「ガソリン」という大変危険な物質を扱う場所。それだけに、消防法や建築基準法によって厳しい基準が設けられており、一般の建物より耐震性・耐火性に優れた構造となっています。

 ガソリンタンクは地下に埋められており、その上には分厚いコンクリートが敷かれ、地上で火災が発生しても地下のタンクに引火することはありません。厳しい基準に則った結果、ガソリンスタンドは、他のどの施設に比べても堅牢で災害時にも被害が出にくい場所となったのです。

 この災害時におけるガソリンスタンドの安全性が注目されたのは阪神・淡路大震災のとき。周辺家屋が焼失・倒壊している中、ガソリンスタンドは壁など一部破損が見られたものの、倒壊や火災の被害報告はなく、周辺で起こった火災の延焼を食い止める、という現象も数多く見られたそうです。

 ガソリンスタンドは他にも、「公道に面していて夜間でも明るい」 「スタッフが早朝から深夜まで常駐している」 「市街地に程よい間隔で点在している」 「日ごろから幅広い地域住民が利用する場所である」という、地域住民が災害時に頼ることができる特性があることから、「街かどの安全・安心ステーション」として注目されるようになりました。

ガソリンスタンドの建物自体は堅牢につくられており、周辺で起こった火災の延焼を食い止めた、という事例もある(PHOTO:AdobeStock_irontrybex)

ライフラインの確保も

 阪神淡路大震災の際、ガソリンスタンドは、建物への被害はほとんどなかったものの、停電によって給油ポンプが稼動せず、給油ができない、という状況に陥りました。これを教訓に、経済産業省・資源エネルギー庁では、1996年度から整備費の一部を国から補助し、「災害対応型給油所」の普及に力を入れています。

 災害対応型給油所とは、災害対応能力を強化したガソリンスタンドのこと。停電した場合でも給油機能を維持することができる太陽光発電設備や内燃機関発電設備をもち、災害時に緊急車両への優先給油等が行うほか、断水時には周辺住民へ生活用水を供給する貯水設備等を備えています。

 全国的にもまだ対応店舗数は多くはないですが、災害時にライフラインを確保する、という地域にとって重要な役目を担う施設なのです。もしもの時の備えとして、一度、ご自宅から最寄りの災害対応型給油所をチェックしておくことをおすすめします。

ガソリンスタンドは、災害に強いことに加えて「公道に面していて夜間でも明るい」 「市街地に程よい間隔で点在している」 などの特性を活かした進化をしている(PHOTO:写真AC_codino)

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