■先代BMW5シリーズ(F10)
■販売期間:2010~2016年
■中古車相場:70万~400万円
ベンツのEクラスとほぼ同等の車格となるBMW5シリーズ。その先代モデルである。
全体としてはなかなかステキな先代5シリーズだが、安価な予算で豊富に探せる523i(最初期が2.5L、直6NAで、2011年10月からは2L、直4ターボ)は、運転がつまらない……とまでは言わないが、BMWとしてはさほどエキサイティングなクルマではない(※個人の感想です)。
しかし本稿の趣旨は「カーマニアとしていかに走りを堪能するか?」ではなく、「いかに安価な予算で見栄を張るか?」である。そのため、この趣旨においては523iでもまったく問題ないと判断したい。
また523iに限った話ではないが、先代5シリーズであるF10型は現行G30型(2017年~)とビジュアルが非常によく似ている。
もちろんよく見ればぜんぜん違うのだが、遠目では輸入中古車記者生活25年の筆者もしばしば見間違える。
それもあって先代BMW 5シリーズは、特に安価で流通量がやたらと豊富な523iは、「激安だけど見栄を張れる中古車」としてはきわめて優等生である。
とはいえ、これもベンツのSやEと同じで、底値物件は車両70万円あたりから探せるが、そこには若干の不吉なムードと貧乏オーラが漂っている。だが「車両価格で110万円~」というイメージで探せば、意外と悪くない一台に巡り会えるだろう。
そして注意点は、ベンツのSクラスおよびEクラスとほぼ同様である。
■先代ボルボ V60
■販売期間:2011年6月~2013年7月(前期型)、2013年8月~2018年(後期型)
■中古車相場:35万~310万円(※後期型は110万円~)
ベンツ、BMWとくれば、お次は「アウディ」となりそうなものだが、筆者としてはアウディはお薦めしない。
いやアウディという車自体はもちろんお薦めできる存在だが、「安く買えるアウディ=年式的に古いアウディ」はお薦めしない、ということだ。
なぜならば、アウディというのは内外装のデザインが「モードっぽくてカッコいい」という美点がある半面、その副作用として「ちょっと古くなると、なぜか一気に古びて見えてしまう」という特徴があるからだ。
もともとがダサめなベンツは(すみません……)2世代分ぐらい古くなっても屁でもないのだが、モードなアウディは1世代古くなるだけで、いや極端な話マイチェンを受けるだけで、途端に「前のやつは古くなったな……」みたいに見えてしまうのである。
まぁこれは筆者の個人的見解に過ぎないため、それでも「安いアウディで見栄を張りたい! 」という人には、先代のA6アバントあたりが良いのではないかと思う。
しかしそれ以上に適任と思えるのが、ベンツ同様にもともとのデザインが少しダサめである(すみません……)ボルボだ。なかでも中型ステーションワゴン「先代V60」の、後期型がいいだろう。
2011年6月に発売となった先代ボルボV60の前期型は、いいクルマではあるのだがフロントマスクが「おもしろフェイス」であるため、見栄を張るウンヌンには今や向かない選択肢だ。
しかし2013年8月からは、おもしろフェイスから「ごくオーソドックスな顔立ち」に変更された。その顔立ちは「面白みがない」ともいえるが、オーソドックスなだけに、時がたっても「古く見える」ということがあまりない。
そんなタイムレスなデザインに、「ボルボ……よく知らないけど北欧の、おしゃれで安全なワゴンのブランド?」という世間一般のイメージが加わることで、100万円台前半の格安中古車であっても「何やら高そう」「おしゃれ」「……地主かな?」というマジックが生まれるのだ。
車両価格100万円台前半で狙える先代V60後期型のグレードは、T4系またはT5系となる。T4系は1.6L直噴ターボでT5系は2L直噴ターボだが、100万円台前半で探せる後期型の大半はT4系だ。
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