ハリアーとキックスに再試乗!! 発売から1年でその評価は変わったか??

■乗り出しで330万円超え

 ただ、キックスでちょっとガックリするのがコスパの問題だ。試乗車は本体価格約287万円で、ナビのオプションが約31万円。乗り出しで330万円を超える!

 キックス最大の欠点は「お買い得感」に欠けることで、これは一年前と同じ印象。海外生産のため、バリエーションを絞らざるを得ないのが、ツライところなんでしょうね。

基本設計が古くタイ生産。1年前はそれを念頭に試乗したけど、乗ると意外によくて、しっかり作りこんである。内装もBセグのなかでは質感がよく、ハンドリングもいい。今回それらを再確認したね。いいクルマ。でもねぇ、やはり値付けが高い。やや残念(鈴木直也)
基本設計が古くタイ生産。1年前はそれを念頭に試乗したけど、乗ると意外によくて、しっかり作りこんである。内装もBセグのなかでは質感がよく、ハンドリングもいい。今回それらを再確認したね。いいクルマ。でもねぇ、やはり値付けが高い。やや残念(鈴木直也)

●キックスまとめ:鈴木氏による1年経って「変わらぬ評価ポイント」と「変わった評価ポイント」
「評価が上がった」→ e-POWERの制御が進化した印象を受ける
「評価は変わらず」→ ドアが薄いなどややチープ感あるつくり
「評価が上がった」→ このツートーンの室内はライバルよりいい。価格が高いだけに…
「評価は変わらず」→ ラゲッジは広い。「3人でゴルフ行っても充分な使い勝手」

■ハリアーは一年経っても「やっぱりいいねぇ」の納得感

 続いてはハリアー。こちらは最初から評価の高い優等生だ。メカ的にはRAV4の姉妹車で、「ワイルド系SUV」のRAV4に対して、ハリアーは「都会派SUV」のマーケットを担当。

 グローバルではRAV4のほうが圧倒的に売れているが、日本ではハリアーのほうが人気が高い。

オフロードと都会的、RAV4と巧みに方向性を変えたモデルで、この戦略からしてトヨタはうまい。世界的にはRAV4がメインで、100万台を売るモンスター。その同じプラットフォームで日本国内向けとしてハリアーが登場。大ヒットを続けているね(鈴木直也)
オフロードと都会的、RAV4と巧みに方向性を変えたモデルで、この戦略からしてトヨタはうまい。世界的にはRAV4がメインで、100万台を売るモンスター。その同じプラットフォームで日本国内向けとしてハリアーが登場。大ヒットを続けているね(鈴木直也)

 言い換えれば、最近珍しく国内マーケットにきちんとフォーカスして企画されたクルマ。日本で売れるべくして売れていると言ってもいい。

 だから、一年ぶりにハリアーに試乗して思ったのは「やっぱりよくできてるねぇ」という納得感だ。

 伸びやかなSUVクーペスタイルは、まさに今が旬の流行りのデザインだし、ソフトパッドとステッチを多用したインテリアのゴージャスさも大いにユーザーの満足感を満たす。

 インパネにどーんとそびえ立つ12.3インチの大型液晶ディスプレイなんか、一年経った現在でもハイテク感トップクラス。こういう部分も、高評価が変わらない理由。

Gグレード(ガソリンモデル。2WD、341万円)の内装。「12.3インチの大型ディスプレイに、ステッチがきれいに入るインパネ周辺が特にいい」と鈴木氏
Gグレード(ガソリンモデル。2WD、341万円)の内装。「12.3インチの大型ディスプレイに、ステッチがきれいに入るインパネ周辺が特にいい」と鈴木氏

■魅力的な2Lガソリン車

 走りに関しても期待を裏切らない。今回用意されたのは、2LガソリンCVTのGグレードで、しかもFF仕様だったが、これが予想以上にパワフルでよく走る。

 ダイナミックフォースM20A型は、171ps/21.1kgmと昔だったらスポーツエンジンといってもいいスペックで、下のトルクもあるしトップエンドもよく回って気持ちイイ。

 組み合わされるミッションは、1速発進ギアを装備する“ダイレクトシフトCVT”で、発進時のダルさがなくキビキビと動きが軽快。

「国産車では敵なし。でも輸入車比較ではアウディQ3やBMW X3がライバル。それらに比べるとハリアーは価格が安くてコスパ的にはいいけど、クルマの出来はまだまだ、ですね」(鈴木直也)
「国産車では敵なし。でも輸入車比較ではアウディQ3やBMW X3がライバル。それらに比べるとハリアーは価格が安くてコスパ的にはいいけど、クルマの出来はまだまだ、ですね」(鈴木直也)

 ハイブリッドもパワフルでいいけれど、車両本体価格341万円の2Lガソリンがすごく魅力的に感じられる(だって同グレードのハイブリッドより約60万円も安いんだもん)。

 どんな新車も一年経つと新鮮味が薄れて、ユーザーもなかなか財布の紐を緩めなくなるけど、そこで切り札となるのはやっぱり「コスパ」。

 一年ぶりにハリアーに乗って、やっぱりトヨタのお買い得感はすごいわーと、改めて感心した次第でございます。

●ハリアーまとめ:鈴木氏による1年経って「変わらぬ評価ポイント」と「変わった評価ポイント」
「評価が上がった」:このGグレードでも装備や質感などは充分満足できる仕上がり
「評価が上がった」:341万円のGグレード。2L NAでも充分走る。いいじゃないか!
「評価は変わらず」:後席の広さ、快適さを改めて実感。売れていることも納得です!
「評価は変わらず」:伸びやかなデザインでいいけど長いオーバーハングがイマイチ


次ページは : 【番外コラム】自動車評論家に聞いてみたい! なぜクルマの評価は時間が経つと変わるのか?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…