■今、パワーユニットに大切なのは「存在感」。注目はGRヤリスの1.6L直噴ターボ(斎藤 聡が選ぶ5台)
昔はパワーこそ正義。と思っていたのですが、高性能・高効率化し、機械としての完成度が高くなってきた今、パワーユニットに大切なのは存在感だろうと思っています。
そういう意味でEVには期待していなかったのですが、それを覆したのがマツダMX-30EVでした。
考えてみればアクセルの応答は純粋に電圧ですから、レスポンスがエンジンより優れているのは当然です。しかもMX-30EVは微細なアクセル操作に対しても正確に反応が得られ、これまでのモーター駆動とは別物の楽しさがあります。
世の中がEV方向に進むなか、今最もリーズナブルなパワーユニットがプラグインハイブリッドだと思います。なかでもクラリティPHVは大容量電池と高出力モーターによってEVテイストを強く打ち出しています。電欠の不安のないのはEVとして魅力的です。
同じPEVでもちょっと毛色が違うのがエクリプスクロスPHEVです。このクルマのユニークな点は、モーター駆動4WDの性能に焦点を当てたというところです。
前後のモーターを個別に駆動し、絶妙のバランスで制御する。三菱ならではの4WDの魅力が詰まっています。
次世代パワーユニットとして興味深いのがマツダ3に搭載されるSKYACTIV-Xです。SPCCIという世界初の技術を使い、超希薄燃焼を可能にしたエンジンです。
2020年末にエンジン制御を改良しパワーアップ、ぐっとエンジンの存在感が出てきました。そんなエンジンの未来につながる技術が、ボンネットのなかで息づいているのを考えるとそれだけで白飯3杯くらいいけませんか?
現行型ガソリンエンジンだからこそ楽しいエンジンは沢山あります。そのなかでも注目のエンジンがGRヤリスの1.6L直噴ターボエンジンです。この排気量で272ps/37.7kgmを発揮します。パワー感はぶっちぎりの楽しさです。
冒頭に存在感と書きましたが、この5台はドライバーの操作がどのくらいすばやくパワーユニットに伝わり、正確に反応してくれるかというところが凄くよくできていて、ドライバーとクルマの密な関係を作ることができるという点で楽しいパワーユニットとしてピックアップしました。
●斎藤 聡が選んだ乗って楽しいパワーユニット ベスト5
・1位 トヨタ GRヤリス(内燃機関)
・2位 ホンダ クラリティPHV(PHV)
・3位 三菱 エクリプスクロスPHEV(PHV)
・4位 マツダ3 SKYACTIV-X(ハイブリッド)
・5位 マツダ MX-30EV(EV)
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