新型アクアの最高燃費はヤリスHVに届かず! 超燃費競争はもう終わったのか?

■時代は「燃費競争」から「燃費協調」へ

現在のWLTCモード燃費1位はヤリスハイブリッドXで36.0km/L。ハイブリッドGは35.8km/L、ハイブリッドZは35.4km/L
現在のWLTCモード燃費1位はヤリスハイブリッドXで36.0km/L。ハイブリッドGは35.8km/L、ハイブリッドZは35.4km/L
フィットe:HEVベーシック(ハイブリッド)のWLTCモード燃費は29.4km/L。市街地モードは30.2km/L、郊外モードは32.4km/L、高速モードは27.4km/L
フィットe:HEVベーシック(ハイブリッド)のWLTCモード燃費は29.4km/L。市街地モードは30.2km/L、郊外モードは32.4km/L、高速モードは27.4km/L

 現在のコンパクトハイブリッドのWLTCモード燃費(2WD)は、ノートX:28.4km/L、フィットe:HEVホーム:28.6km/L、アクアハイブリッドZ:33.6km/L、ヤリスハイブリッドZ:35.4km/Lという具合だ。

 上記ではノートとフィットは30km/L以下、トヨタのアクアとヤリスはそれ以上という差があり、ヤリスハイブリッドを試乗すると燃費の良さに驚く。ヤリスハイブリッドZの燃費数値は、ノートXに比べて25%優れ、数値上は燃料代を20%削減できる。

 仮に1年間に1万kmを走る場合、WLTCモード燃費が実用燃費と考えれば、レギュラーガソリン価格が145円/Lとして、1年間の燃料代はノートXが5万1000円、ヤリスハイブリッドZは4万1000円だ。今は1年間に1万円を節約できる価値が、冷静に捉えられ、燃費数値へのこだわり方も適正になったといえるだろう。

 それでもフィットのe:HEVホームと、1.3Lガソリンエンジンを搭載するホームでは、燃費の違いは当然に拡大する。1年間に1万kmを走る場合、e:HEVは5万円、ガソリンエンジンは7万2000円だ。2万2000円の差額で、この比率は環境性能とも合致する。

ノートXのWLTCモード燃費は28.4km/L、ノートFは29.5km/L
ノートXのWLTCモード燃費は28.4km/L、ノートFは29.5km/L

 燃費を向上させる価値には、ユーザーの出費抑制と、環境性能の向上がある。今までは出費を抑える意識が優先されていたが、今後は環境性能が従来にも増して大切になる。「環境性能が向上すると燃料代と税金も安くなる」という状況から「環境性能の向上のために出費が増える」時代に変わる。

 今はこの過渡期で、第1段階となる「燃費競争」が終了した。今後はいよいよ電動化の時代に入る。軽自動車では複数のメーカーが共通のハイブリッドシステムを低価格で装着するなど「燃費協調」の側面も見えてくる。

 驚くような燃費数値は飛び出さないが、全般的に底上げが図られ、偏りなく優れた環境性能を達成できる時代に向かうだろう。

【画像ギャラリー】新型アクアは惜しくも1位ならず! 2021年WLTCモード燃費ランキングBEST10

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!