いつかは乗りたい!! でも一生無理かも…魅惑のベンツGクラスの世界

クラシカルデザイン×機能美×ラグジュアリーで唯一無二の存在

 セレブが選ぶ高級車は世の中にたくさんあるが、Gクラスはその中でもかなり特異な存在であろう。1000万円超えのクルマなのになぜか遊び心さえ感じてしまうGクラスは、ファッションに例えるなら、異なるテイストであえてハズし「抜け感」を出す高度な着崩しコーディネート、といったところだろうか。高価な貴金属や衣装を身に纏ったセレブが、Gクラスのようなオフローダーに乗る姿は不思議とカッコよく決まる。

 本格高級オフローダーといえば、日本が世界に誇るランドクルーザーやレクサスLX、それこそライバルのレンジローバーやディフェンダー、今ではブランドが消滅してしまったハマーなどを挙げることができる。

 しかし、これらをもってしてもGクラスほどのコーディネートが決まるとは思えない。Gクラスのクラシカルなデザインやツボを抑えたラグジュアリー、メルセデスというブランド力のハーモニーだけが作り出せるものなのだろう。

 Gクラスには機能を超えた妙味と、他の高級SUVには表現できないセンスがあり、そこに多くのセレブが惹かれ、ライフスタイルの発信用アイテムとして選ばれている。「本格オフローダーなのにオンロードしか走らない」というオーバースペックでさえも、彼らにとってはステータスの一つなのだ。

「本格オフローダーなのにオンロードしか走らない」ユーザーも多い
「本格オフローダーなのにオンロードしか走らない」ユーザーも多い

どうしてもGクラスに乗りたい…!

 現行型のGクラスのボディサイズは全長4660mm×全幅1930mm×全高1975mm。このほど発表された新型ランドクルーザー300よりも全長が300mmほど短い。それでも日本の道路事情では堂々としたサイズ感にはなるが、困るほど大きいわけでもない。

 新車販売価格は3.0L ディーゼルターボを搭載したエントリーモデルの「G350d」で1251万円、4.0Lガソリンターボのトップグレード「G550」だと1705万円だ。メルセデスのフラッグシップSUVである「GLS」は1277万円〜1693万円という価格設定であるから、メルセデスは成り立ちも魅力も異なる二台のフラッグシップSUVを据えていることになる。

スクエアでワイドな造形のダッシュボードやコックピットディスプレイなど、質感が非常に高い。ウッドトリムとシルバー加飾は、メルセデスが得意とするインテリアコーディネートだ
スクエアでワイドな造形のダッシュボードやコックピットディスプレイなど、質感が非常に高い。ウッドトリムとシルバー加飾は、メルセデスが得意とするインテリアコーディネートだ

 この価格帯となると乗用車として気軽に買える人は少ない。一般的に無理なくクルマを買うためには年収の半分程度を予算の目安にするといいとされているが、そうなるとGクラスは、年収2000万円以上の人に相応しいモデル、ということになる。ならば中古車を…と思っても、Gクラスは中古車市場でも人気で、古くても値段がなかなか下がらない。

 20年落ち、走行距離20万kmといった条件でも300万円程度のプライスが付けられているし、比較的年式が新しく程度の良い個体を探そうとすれば最低でも600〜700万円の予算は欲しいところ。ローンを組むにしてもかなりの覚悟が必要だ。

 「でもGクラスは軍にも採用されたぐらいのヘビーデューティモデルであるから、古くて過走行車でも大丈夫でしょ」と思ってはいけない。Gクラスには窓落ちや、エアコンなどの電装系にまつわるトラブルが比較的多いうえ、メンテナンスや車検費用も高額だ。維持費や修理費がそれなりにかかることを承知の上で購入してほしい。

 どうしてもGクラスが欲しいのであれば、予算に余裕を持つのと同時に、じっくり検討し、信頼できるショップで根気よく探すという心のゆとりも必要だ。

 世界のセレブを魅了する孤高のラグジュアリーオフローダーGクラス。セレブでなくても、オフロードを走ることがなくても、一度は乗っておきたい魅惑のクルマだ。

【画像ギャラリー】本格オフローダーなのに、なぜかセレブに大人気!!  魅惑のベンツGクラスの変遷

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