RB26 VTEC EJ20……日本が誇る世界最高の純エンジン5選

■第4位:熟成を重ねた約30年の歴史ついに終焉/EJ20型、EJ25型フラット4

1989年登場の初代レガシィツーリングワゴンに搭載されてから約30年間、幾度となく改良を繰り返したスバルのEJ20型2Lフラット4ターボエンジン。最高出力は308ps/43.0kgm
1989年登場の初代レガシィツーリングワゴンに搭載されてから約30年間、幾度となく改良を繰り返したスバルのEJ20型2Lフラット4ターボエンジン。最高出力は308ps/43.0kgm


■エンジン形式:水平対向4気筒DOHCターボ
■型式:EJ20
■排気量:1994cc
■最高出力:308ps/6400rpm
■最大トルク:422Nm(43.0kgm)/4400rpm

2019年10月24日に発表された555台限定のWRX STI EJ20ファイナルエディション。車両本体価格は485万1000円。同年11月11日に優先購入権の応募が締め切られたが、応募総数は555台の約23.4倍となる約1万3000件
2019年10月24日に発表された555台限定のWRX STI EJ20ファイナルエディション。車両本体価格は485万1000円。同年11月11日に優先購入権の応募が締め切られたが、応募総数は555台の約23.4倍となる約1万3000件

 すでに語り尽くされた観のあるEJ20型水平対向4気筒の仕様の詳細については、ここではひとまずおいておくとして、バリエーションを拡大しつつ1989年から30年超にわたって採用され続けるとともに、長く愛されてきた事実が揺らぐことはない。

 特にスポーツエンジンとして進化し続けたEJ20型ターボについては、現行WRX STIの最終仕様として2019年11月に555台限定として販売された「EJ20 Final Edition」を具体なスペック例として挙げておきたい。

2019年にアメリカ限定で販売されたWRX STIのコンプリートカー S209。265/35R19の極太タイヤを履き、オーバーフェンダーによってボディを拡幅。ビルシュタインと共同開発した専用サスペンションやSTI製フレキシブルタワーバーでボディ剛性を強化した
2019年にアメリカ限定で販売されたWRX STIのコンプリートカー S209。265/35R19の極太タイヤを履き、オーバーフェンダーによってボディを拡幅。ビルシュタインと共同開発した専用サスペンションやSTI製フレキシブルタワーバーでボディ剛性を強化した
S209の搭載エンジンは海外向けのEJ25型2.5Lフラット4ターボ。タービンや排気系の変更、専用ECUの採用などにより345.7ps/45.6kgmを発生
S209の搭載エンジンは海外向けのEJ25型2.5Lフラット4ターボ。タービンや排気系の変更、専用ECUの採用などにより345.7ps/45.6kgmを発生


■エンジン形式:水平対向4気筒DOHCターボ
■型式:EJ25
■排気量:2457cc
■最高出力:345.7ps/6400rpm
■最大トルク:476Nm(45.6kgm)/3600rpm

 その後も、北米市場では主力ユニットであるEJ25ターボをSTI仕様として手を加え、北米市場向けに仕立てられた「S209」が2019年1月発表された(2019年10月発売)。S209も限定209台の販売となった。さらに豪州では「WRX STI EJ25 Final Edition」が発売されている(75台限定)。

 フラット4独特の野太い排気音とともにEJ20ターボは、WRX STIを豪快無比なパワーを与えつつ、ラリー・フィールドやニュルブルクリンクなどで鍛えられた剛性感触れる堅牢なシャシーと合わせて、突出した存在にしたといえる。

 ということで、2021年9月上旬に新型WRX(北米仕様)が発表予定となっているから、STIなどを含めてどうなるのか注目したい。

■第3位:高効率化目指した可変圧縮比エンジン/日産VCターボ

2021年2月に欧州で発表された新型キャッシュカイ。全長4425×全幅1838×全高1635mm、ホイールベース2666mmのCセグメントSUV
2021年2月に欧州で発表された新型キャッシュカイ。全長4425×全幅1838×全高1635mm、ホイールベース2666mmのCセグメントSUV
キャッシュカイe-POWERに搭載されるVCターボ。日産が世界で初めて実用化した可変圧縮比エンジン。最高出力は268ps/380Nm
キャッシュカイe-POWERに搭載されるVCターボ。日産が世界で初めて実用化した可変圧縮比エンジン。最高出力は268ps/380Nm


■エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
■型式:KR20DDET
■排気量:1970~1997cc
■最高出力:268ps/5600rpm
■最大トルク:380Nm/1600~4400rpm

 日本市場に導入されていないのが残念至極、「技術の日産」のフレーズがしっくりくるのが、日産が開発を進めて量産化に漕ぎ着けた可変圧縮比(Variable Compression Ratio)エンジン、それが「VCターボ」だ。

 先の上海モーターショーではエクストレイルに採用予定の「e-POWER」システムに、発電用としてVCターボが用意されることが公表され、すでに欧州市場向けに設定されたキャシュカイと同様に採用予定とされる。

 キャシュカイのパワーユニットから類推すると、用意されるパワーユニットはKR15DDET型と呼ばれる1.5L直列3気筒の可変圧縮比ターボ。

 パワーとトルクは204ps/5400rpm、305Nm(31.1kgm)/2800~4440rpmとなる。2LバージョンのKR20DDET型直4(エンジン単体の発表は2016年)は、すでに北米市場で販売されているセダンの日産アルティマやクロスオーバーSUVのインフィニティQX55(2020年11月発表、2021年2月発売)に採用されている。

 2L、直4VCターボエンジンのパワーは自然吸気の3.5L、V6並みとされ、そのうえで燃費向上などの高効率化を狙っている。

 可変圧縮比機構はピストン/コネクティングロッド、特殊なモーターでリンク機構を制御するVCRアクチュエーターなどを備え、圧縮比を8:1~14:1に変化させることができる。

 現時点で2L版が日本市場に導入されるかどうかは微妙だが、ぜひその実力をエンジン単体で確認したいものだ。

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