■プロパイロットのセットパッケージは高すぎる
フィットモデューロXには、フィット同様に、ホンダセンシングが標準搭載となる。衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能はもちろん、アダプティブクルーズコントロール(ACC)や車線維持支援システム(LKAS)も備わる。この手の先進運転支援装備は、スポーティモデルとはいっても、もはや当たり前とホンダは考えているようだ。
一方のノートオーラNISMOは、ACCやLKAを含むプロパイロット1.0はオプション扱いとなる。しかも、プロパイロット1.0単独では注文できず、34万9800円ものパッケージメーカーオプションが必須となる(ステアリングスイッチや統合ディスプレイ、Nissan Connectナビ、ETC2.0ユニットなど)。
高速道路のナビ情報を予め把握し、ジャンクションやコーナー手前で車速を抑える、というホンダセンシングにはない機能がついているものの、これを選ぶと、車両価格は約322万円にまで跳ね上がる。
同社のデイズのXグレードと、X プロパイロットエディションの価格差が9万9000円。それにはナビリンク機能は備わらないが、機能を絞れば、この価格帯まで安くできるということだ。
ノートオーラNISMOでも、プロパイロット1.0を12万~13万円程度で単独オプション設定とし、スマホのナビが使えるApple CarPlayかAndroid Autoが使えるようになる、というのがユーザーからすれば望ましい。これはできないはずがない。
■結論:ノートオーラNISMO:9.5点、フィットモデューロX:8.5点
どちらを選んでも、高い満足度が選られるコンパクトハッチであることは間違いないが、ライトチューンなフィットモデューロXに対して、オーラNISMOは、このままワンメイクレースに出るかのようなカスタムが施されており、「走行性能のポテンシャル」といった面では、オーラNISMOの圧勝といっていいだろう。
その反面、普段使いのイージーさや先進運転支援などの充実度などを考えると、286万円でほぼ揃うフィットモデューロXのコストパフォーマンスは圧倒的だ。ノートオーラNISMOで同様の装備にするには追加で約35万円は必要となる。
だが、ホットハッチ好きの諸氏ならば、現行のマーチNISMOや、先代のフィットRSなど、記憶に残る、元気で楽しいマニュアルミッション車を懐かしく思うのではないだろうか。
今後は、この2台のようなモーター駆動のコンパクトカーが当たり前になるのは避けられない。数少ないMTのホットハッチには、まだまだ現役でいてもらわねば困る。
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