GT-R スイスポ スープラがでる !!? 国産スポーツの未来はいま

 早いものでもう9月。うかうかしているとあっという間に年の瀬…ということになりそうだが、コロナ禍や相次ぐ環境規制の中にあって、来年もクルマを取り巻く環境、とりわけスポーツカーを巡る状況はキビしそうだ。

 しかしそんななかにあって、国内メーカーは続々魅力的なモデルをスタンバイ中だ(昨日発表されたスバルWRXも実に楽しみだ!)。

 この秋から2023年までに登場予定の気になる新型スポーツモデルたちの最新情報をすべてお見せする!

※本稿は2021年8月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年9月10日号

【画像ギャラリー】リアビューの予想CGも満載! 期待値半端ないモデルたちをギャラリーでチェック!

■日産 GT-R(2023年春登場予定)

●純エンジンのまま次期型開発中!

 正式発売前の予約段階で受注ストップとなったGT-Rニスモ2022年モデル。価格発表前の売り切れとは凄まじい人気だが、R35GT-Rの販売終了が来年に迫っているのが大きな理由。多くの人が最後にして最強のGT-Rを求めているのだ。

 しかし、ベストカーには別の情報が入っている。GT-Rは終わらず、次期モデルが計画されているというものだ。

 この情報を入手したのは昨年9月頃。ゴーン元社長の解任により商品計画が見直され、水面下で計画されていたGT-Rのマイルドハイブリッド化が承認されて、これが次期モデルとなり、2022年以降もGT-Rは販売されるというものだった。

 続いて今年の5月、その情報が修正される。販売店関係者より、マイルドハイブリッドではなくガソリンターボのまま次期型の開発が進んでいるという情報がもたらされたのだ。情報主によると、エンジンを含む中身はほぼ現行型のまま内外装を変更し、新型として販売するという。

 いわゆる「スキンチェンジ」という内容。振り返ってみればR32~R34スカイラインGT-RもRB26DETTエンジンやアテーサE-TSはそのままにモデルチェンジを重ねてきたわけで、それと同じ手法ということ。

 ただし、R32~R34がそうであったように時間が経過した分の進化をしっかりと果たすのは言うまでもない。

 この新型GT-Rは来年秋頃に現行R35の販売が終了した後、数カ月の間を開けて、2023年春頃に登場するというスケジュールが濃厚。現行型のシャシーを使いながら内外装を大きく変化させる次期Zと同じく、GT-Rも大幅にイメージを変えてくる。

 現時点ではどんな進化を果たすかの詳細は不明だが、ファンの期待を超えてくれることは確実だろう。

2022年の生産終了でGT-Rの歴史はいったん途絶えると思われたが、次期「R36型」の存在を確認。名機VR38DETT型V6ターボを改良、進化させて搭載(画像はベストカー編集部による予想CG)
2022年の生産終了でGT-Rの歴史はいったん途絶えると思われたが、次期「R36型」の存在を確認。名機VR38DETT型V6ターボを改良、進化させて搭載(画像はベストカー編集部による予想CG)
予約殺到で受注停止となったニスモ2022年モデル。R35型ファイナル仕様はもうひとつありそう(画像はベストカー編集部による予想CG)
予約殺到で受注停止となったニスモ2022年モデル。R35型ファイナル仕様はもうひとつありそう(画像はベストカー編集部による予想CG)

◎新型GT-R
・全長:4730mm
・全幅:1900mm
・全高:1370mm
・ホイールベース:2780mm
・車両重量:1760kg
・エンジン:V6、3.8L+ターボ
・最高出力/最大トルク:600ps/66.0kgm
・駆動方式:4WD
・予想発売時期:2023年春
・予想価格:1500万円

■スズキ スイフトスポーツ(2023年春登場予定)

●「ターボ+48Vマイルドハイブリッド」で登場!

 2017年9月の登場から4年が経過するスイフトスポーツ。そろそろ次期モデルが気になるタイミングだ。

 欧州仕様は昨年5月にマイナーチェンジを受けていて、48Vのマイルドハイブリッドを搭載。日本の次期モデルはこのパワーユニットの搭載が確実視されている。

 この欧州仕様は直4、1.4L直噴ターボエンジンも圧縮比の向上や電動吸気VVT、EGRの新採用など改良を施されており、そちらも踏襲されることになりそうだ。

 プラットフォームに関しては、一新されるという説と現行型の改良版を採用するという説が混在しており、現時点では明確にはなっていない。

 HEARTECTと呼ばれる現行プラットフォームは2016年に登場したものでまだ新しく、また軽量化にも大きく貢献しているだけに商品力はまだ充分にある。それだけにその改良版の採用が有力だが、そんな状況のなかで「一新する」という噂が出ているのが逆に気になるところだ。

 ボディサイズは現行型とほぼ同じだが、マイルドハイブリッド化による重量増をどれだけ抑えられるかがポイントとなりそう。6MTと6ATを設定するのも現行型と同様で、スイスポの大きな魅力と武器である価格の安さもキープされるだろう。

軽量コンパクトなボディはそのままにブラッシュアップされる次期モデル。ボディサイズは全長3900×全幅1740×全高1500mmあたりで、車重はマイルドハイブリッド化しても1000kg未満を目標としている(画像はベストカー編集部による予想CG)→
軽量コンパクトなボディはそのままにブラッシュアップされる次期モデル。ボディサイズは全長3900×全幅1740×全高1500mmあたりで、車重はマイルドハイブリッド化しても1000kg未満を目標としている(画像はベストカー編集部による予想CG)→
→もちろん、操る楽しみを最優先にしたFFスポーツのコンセプトは変わらず、価格は250万円以内を目指しているという。画像欧州仕様の48Vマイルドハイブリッドエンジン。モーターアシストは13psと小さいが、もちろん燃費は向上する
→もちろん、操る楽しみを最優先にしたFFスポーツのコンセプトは変わらず、価格は250万円以内を目指しているという。画像欧州仕様の48Vマイルドハイブリッドエンジン。モーターアシストは13psと小さいが、もちろん燃費は向上する

◎新型スイフトスポーツ
・全長:3900mm
・全幅:1740mm
・全高:1500mm
・ホイールベース:2450mm
・車両重量:980kg
・エンジン:直4、1.4L+ターボ+モーター
・最高出力/最大トルク:145ps/24.0kgm
・モーター最高出力:13ps
・駆動方式:FF
・予想発売時期:2023年春
・予想価格:250万円

■スズキ アルトワークス(2022年10月登場予定)

 日本のお家芸とも言える軽スポーツの代表格、アルトワークスも次期モデルを開発中。

 来年10月のデビューが予想される次期型は新エンジンの搭載が最大の注目ポイントで、ハスラーに新搭載されたR06D型エンジンのターボ仕様が積まれる。

 アルトワークスのターボエンジンは現行型でも飛び抜けた性能を誇るだけに楽しみだ。

 デザインはキープコンセプトでも、シャシーの改良などで性能は大幅アップ確実だ。

新開発エンジンと熟成されたシャシー、足回りで走りは進化。次期型も楽しいクルマになりそうだ
新開発エンジンと熟成されたシャシー、足回りで走りは進化。次期型も楽しいクルマになりそうだ

■日産 フェアレディZ(2022年4月春登場予定)

 さる8月17日に米国ニューヨークショーで米国仕様の市販モデルが公開されたニューZ。日本仕様のお披露目は来年1月の東京オートサロンが有力で、発売開始は来年4月からとなる。

 ボディサイズは全長4380×全幅1850×全高1310mm。シャシーは現行モデルと同じだからホイールベースも同じ2550mmとなる。

 エンジンは一新され、スカイラインに搭載されているV6、3Lツインターボを採用。304ps仕様と405ps仕様の2種類が用意されるのもスカイラインと同様だ。

 トランスミッションは9速ATと6速MTで、304ps仕様は400万円台を目指しているという。405ps仕様は500万円台後半と予想。

 遅れて追加されるニスモバージョンが凄い。ニスモが開発中のレース専用GT4車両のノウハウが詰め込まれ、従来のニスモバージョンを大きく超えるポテンシャルが確実視されている。

 こちらの発売は2023年春頃になりそうだ。

フロントは初代S30型、リアはZ32型のイメージを与えたエクステリア。全長が120mm延ばされて、よりダイナミックなデザインとしている。内装も大きく進化する(画像はベストカー編集部による予想CG)
フロントは初代S30型、リアはZ32型のイメージを与えたエクステリア。全長が120mm延ばされて、よりダイナミックなデザインとしている。内装も大きく進化する(画像はベストカー編集部による予想CG)

■ホンダ シビックタイプR(2022年6月登場予定)

 新型がデビューしたばかりのシビックだが、期待のタイプRは来年6月に登場。パワーユニットは2Lガソリンターボ+後輪モーターのハイブリッド4WDが有力視されており、ニュルブルクリンクでのテストシーンが目撃されるなど開発は順調に進んでいるようだ。

 前輪をエンジンで、後輪をモーターで駆動する方式はNSXの前後を逆にしたものと考えればいい。

 後輪は左右独立した2つのモーターを備えており、走行状況に応じて左右のトルクを最適に配分してシャープなコーナリングを実現。「タイプR」の名にふさわしいポテンシャルを発揮する。

 システム出力は400psオーバーで、価格は約500万円と予想。

全長4560×全幅1875×全高1415mm、ホイールベースは2735mm(画像はベストカー編集部による予想CG)
全長4560×全幅1875×全高1415mm、ホイールベースは2735mm(画像はベストカー編集部による予想CG)

■トヨタ カローラスポーツGR(2022年9月登場予定)

 GRヤリスの1.6Lターボを搭載するカローラスポーツGR。ヤリスは3ドアなので実用性とスポーツ性を両立させたホットハッチとして注目の一台だ。

 ヤリスでは272psだが、こちらは300ps。ベースのカローラスポーツにリアの後付けフェンダーを備えて外観の迫力も相当なものとなる。

 駆動方式は4WDで、ヤリスと同じ電子制御多板クラッチを用いたアクティブトルクスプリットタイプを採用。まずは6速i-MTのみで来年9月に登場し、2年後くらいにATが追加されるという。予想価格は約500万円だ。

直3、1.6Lターボエンジンは300ps/37.7kgmを発生。WRCベースであるGRヤリスの性能を持った実用的なホットハッチ(画像はベストカー編集部による予想CG)
直3、1.6Lターボエンジンは300ps/37.7kgmを発生。WRCベースであるGRヤリスの性能を持った実用的なホットハッチ(画像はベストカー編集部による予想CG)

■トヨタ スープラGRMN(2023年春登場予定)

●520psの超強力ターボエンジン搭載!

 日本のスポーツカーの代表的モデル、GRスープラにも超大物がスタンバイしている。まだ世に現われていないGRMNのスペシャルモデルだ。

 2020年10月に大規模改良を受けたスープラは、直6、3LターボのRZが340psから387psに一気にパワーアップしたが、GRMN仕様はなんと520psを謳う。

 このエンジンはBMW M3/M4に搭載されているハイパワー版の直6ターボ。M3/M4のスペックは510psだが、スープラは独自のチューニングを施し、10psアップの520psになるという情報だ。最大トルクは67.0kgmというから強烈。

 このエンジンに組み合わされるトランスミッションは7速DCT。トヨタとしては初めてのツインクラッチMTということになる。

 もちろん、大幅なパワーアップに対応して足回りも改良される。

 スープラは「走る実験場」としてレースに積極的に出場している。国内のスーパー耐久レースのほかニュル24時間レースなどにも参戦し、そこで得られた知見を市販モデルにフィードバック。GRMN仕様もそのノウハウを生かしたクルマに仕上げられることになる。

 スープラはこのGRMN仕様が最初で最後のスペシャルモデルとなり、ノーマルグレードを含めて2025年に生産を終了するスケジュールとなっている。

 次期モデルの予定はなく、純エンジン車のスープラはこれが最後。あと4年の間に改良モデルが登場する可能性は高いが、520psもの出力を持つグレードはこのGRMN仕様のみとなる。

 デビューは2023年春頃の予定で、価格は1200万~1300万円あたりとなりそう。詳細は不明だが、限定モデルとなる可能性は高く、激しい争奪戦が予想される。

大型のGTウイングが装着されレーシングカーのような武闘派イメージで登場するGRMN仕様。エンジンはBMWの直6・3Lターボに独自チューニングを加え520ps/67.0kgmを実現。レースで鍛えた足回りにより、FRのままこのハイパワーに対応する(画像はベストカー編集部による予想CG)
大型のGTウイングが装着されレーシングカーのような武闘派イメージで登場するGRMN仕様。エンジンはBMWの直6・3Lターボに独自チューニングを加え520ps/67.0kgmを実現。レースで鍛えた足回りにより、FRのままこのハイパワーに対応する(画像はベストカー編集部による予想CG)

◎スープラGRMN
・全長:4410mm
・全幅:1900mm
・全高:1285mm
・ホイールベース:2470mm
・車両重量:1580kg
・エンジン:直6、3L+ターボ
・最高出力/最大トルク:520ps/67.0kgm
・モーター最高出力:13ps
・駆動方式:FR
・予想発売時期:2023年春
・予想価格:1200万~1300万円


【番外コラム】GT-R EV化はどうなる? レクサスに「F」復活??

●鋭意開発中! EV時代になってもGT-Rは生き残る

 日産はGT-Rの世界的ブランド力を熟知しており、消滅させる選択肢はないというのが基本姿勢。とはいえ10年、20年先を見据えればEVに舵を切るしかないのも事実で、エンジン車は次期型を最後としてEVの次世代モデルを開発しているのだ。

 デビューは早くて2025年。日進月歩のEVだけに、新しい技術をどの段階で取り入れるかの見極めが難しく、時間をかけての取り組みとなっている。

本格スポーツEVの開発に余念がない欧州勢に対抗。EVになってもGT-Rのブランドは残される(画像はベストカー編集部による予想CG)
本格スポーツEVの開発に余念がない欧州勢に対抗。EVになってもGT-Rのブランドは残される(画像はベストカー編集部による予想CG)

●レクサス、ISとLSで「F」復活! しかし気になるニュースも??

 レクサスのラインナップには現在存在しない新たな「F」が登場する。IS Fと LS Fが来年春に相次ぎ登場の予定だ。搭載するエンジンはIS FがV8、5L NA(481ps/54.6kgm)でLS FがV6、4Lツインターボ(670ps/66.3kgm)。670psとはびっくり!

 来年2月にIS F、3月にLS Fがデビューする予定だが、気になる情報も。同じ4Lツインターボを搭載するLC Fの開発が凍結されたというのだ。LS Fも流動的かもしれない。

上がIS F、下がLS Fの予想CG(画像はベストカー編集部による予想CG)
上がIS F、下がLS Fの予想CG(画像はベストカー編集部による予想CG)
ベンツAMGに負けない存在感を発揮!(画像はベストカー編集部による予想CG)
ベンツAMGに負けない存在感を発揮!(画像はベストカー編集部による予想CG)

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