■日産GT-R:2007年12月登場→14年9ヵ月
現行型R35 GT-Rは「日産のシンボルとなるマルチパフォーマンススーパーカー」として2007年12月に登場した。現行GT-Rのマルチパフォーマンススーパーカーというコンセプトは、いつでも、(雪道などでも道を選ばず)どこでも、(2ペダルとなる点などを含め)誰もが乗れる、300km/hでのクルージング中会話ができる、2人分で旅行に行く際の荷物が積めるユーティリティを持つといったものだ。
このコンセプトを追従するスーパーカーは未だ世界にないこともあり、GT-Rは今も孤高の存在となっている。また現行GT-Rはこのコンセプトの実現のため、重量配分の適正化や重さを加速、ブレーキ、コーナリング性能の向上に貢献する独立型トランスアクスル4WDの採用、衝突安全性の高さなどをはじめとしたレーシングテクノロジーが多数盛り込まれ、既存車を最新モデルに近づけるバージョンアップキットが内容を考えれば超リーズナブルな価格で設定されたこともあった。
登場後の改良も2011年と2016年のビッグマイナーチェンジをはじめ、毎年のように行われており、2021年9月14日には2022年モデルが発表されたばかりだ。現行GT-Rはその成果もあり、登場から14年が経ってもスーパーカー業界においてトップクラスの性能を誇り、孤高の存在となっている。
●今後どうなる?
現行GT-Rは2022年モデルで100台限定の特別仕様車となるT-specが設定されたが、スポーツ性をさらに高めたNISMO系はすでにオーダーストップとなっており、現状で確実に新車を購入できるのは標準系のみとなっている。
しかし、NISMO系のオーダーストップに加え、次期モデルも「純エンジン車で継続」、「48Vマイルドハイブリッド化されて継続」、「燃費規制ではなく、2021年以降強化される騒音規制で継続は難しいのでは」といった情報が錯綜中だった。
これまでベストカーが入手した情報では、2022年秋に現行モデルの販売を終了するが、VR38DETTエンジンをベースにしたマイルドハイブリッドを搭載して次期モデルに繋げていくというものだった。
しかし、ベストカーが独自入手した最新情報では、なんとガソリンターボエンジンのまま次期モデルを開発しているというのだ。マイルドハイブリッド化はGT-Rの産みの親である水野和敏氏が開発当初から計画していたものだ。
水野氏が日産を退職したことでスケジュールが遅れていたものの、2022年には実用化できるということだったが、それがガソリンエンジンのままモデルチェンジするという情報に変わった。
CAFE(企業別平均燃費)は得意のe-POWERとEV戦略で少し余裕が出たのかもしれないが、2022年からは騒音規制も厳しくなるため、GT-Rのようなスーパースポーツモデルには厳しい状況になるはず。だからこそ現行モデルは来年で販売終了の説が出ていたのだが、次期モデルを生産できるというのは嬉しい誤算。
変更内容を考えると、実質的にはマイナーチェンジといえてしまうような変更となるが、販売戦略上、型式変更をともなう「フルモデルチェンジ」となるR36型と銘打って登場する可能性が高い。
発売は2023年早々と予想する。今後も新情報が入り次第、随時お伝えしたい。
初出から14年以上経ったR35GT-Rを継続せずに、まっさらの新型R36GT-Rは出ないものか? 裏を返せば水野GT-Rを超えられないということなのだろうか。
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