■日産マーチ:2010年7月登場→誕生から11年2ヵ月
現行マーチも「日産のエントリーモデルとなるコンパクトカー」というコンセプトは初代モデルから不変だが、現行型4代目モデルはタイ国で生産される輸入車となった。
この点の是非はともかく、現行マーチは当初燃費などの環境性能は優れていたものの、全体的に安っぽさが目に付く割に、価格が安い訳でもないところに、日産社内で軽自動車やノートが台頭してきたこともあり、日本での販売は低空飛行が続いている。
●今後どうなる?
現行マーチと日産とアライアンスを結ぶ三菱自動車の現行ミラージュは車格やタイ国で生産される点など、同じ部分が多い。
このことを考えると、今後マーチは三菱自動車主導の開発となると思われるミラージュの兄弟車になると思われる。この新しい兄弟車が現行と同様、日本に輸入され発売することになるだろう。
一方、2017年3月からフランスで生産され、欧州や南アフリカで販売されているK14型マイクラの日本導入を望む声は相変わらず大きい。
マイクラのボディサイズは全長3999×全幅1743×全高1455mmと全幅は5ナンバーサイズの1700mmを超えるものの、全長はヤリスやフィットとほぼ同等。
エンジンはシリンダーボア内部の壁に鉄も膜を作り、この膜を鏡面仕上げにすることでピストン稼働時に抵抗を軽減させるという、GT-Rの「ミラーボアコーティング」技術を採用したHR0DETT型1L、直3ガソリンターボ1G-Tエンジン(100ps/14.7kgm、CVT)のほか、HR10DDT型1L、3気筒ターボのDIG-T(117ps/20.4kgm)の2種類。
しかし、このマイクラも日本発売の可能性は限りなく低い。価格帯やサイズがノートに近く、キックスともバッティングするからだ。このマイクラにe-POWERが搭載されることになれば、日本発売の可能性は高まるが、いずれにしても厳しいだろう。
■日産エルグランド:2010年8月登場→誕生から11年1ヵ月
エルグランドは高級ミニバンというジャンルの先駆車ながら、2代目モデルがトヨタアルファードに敗れたこともあり、現行型3代目モデルはアルファードに対抗すべく満を持して開発されたモデルだ。
現行エルグランドはFF化もありアルファードより若干全高が低く、この恩恵で乗れば現行アルファードより優勢なところもある。
しかし、全高に低さにより高級ミニバンユーザーが求める見下ろし感のようなものが薄いことが原因の1つだったのか、アルファードの牙城は崩せず、2015年にアルファードが現行型になってからは、その差はさらに開く一方となっている。
2020年10月12日、2014年1月に行われたフェイスリフトを含む内外装の改良に続く、2度目の大がかりなマイナーチェンジを行った。
今回のマイナーチェンジでは、グリルを中心としたエクステリアデザインを変更するとともに、全方向から運転をサポートする360° セーフティアシストを全車標準装備とするなど、先進安全技術を拡充させた。
さらに、漆黒のフロントグリルやフォグランプフィニッシャーなどの専用装備に加え、存在感を際立たせる輝きと力強さを誇る特別仕様車のアーバンクロムシリーズも新たに設定。ただし、期待されたプロパイロットやe-POWERは装備されず、この改良で起死回生とはならなかった。
●今後どうなる?
2010年にデビューした現行型は2020年10月にビッグマイチェンを施され、なんと10年以上ものロングスパンモデルとなっているのは周知のとおり。ライバルとなる同じLクラスミニバンのアルファード/ヴェルファイアには遠くおよんでいないのが現状だ。
ここまで現行モデルが改良されないまま現在まできているのも、そもそも日産のグローバル戦略における日本市場のプライオリティが低い時期があったためだとされているからだ。
しかし、経営体制が刷新された日産は戦略を見直すことにし、エルグランドは2022年、ようやく次期型モデルにバトンタッチされることになる。手ごわい仇敵、アルファードを追撃することになる。
エクステリアは、2代目までのFRからFFに変更された3代目から続く基本的なプロポーションを継承。アルファードよりもシャープで個性的なスタイルとなり、フロントマスクも新世代日産モデルに共通するVモーショングリルを採用し、押し出し感の強さを前面に打ち出してくる。
Lクラスミニバンらしく、3列目シートは現行モデル以上にゆったりと座れる作りが特徴で、豪華なインテリアの質感は格段に向上し、1列目と2列目シートにはロングスライドが採用される。ドライバーにも後席に乗る人にもエルグランドらしい満足感を与えてくれるはずだ。
注目はパワートレーン。直4、2.5Lのガソリンエンジンは搭載がほぼ決まりだが、1.5Lターボ+前後2モーターのe-POWER搭載も噂されている。
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