ここ数年で都内などでは一気に設置が進んだように思えるLED信号機。かつて広く使われてきた、日差し除けのあるお馴じみの電球式信号機に比べて、どう違うのでしょうか?
というのは、視認性がよく、夜も明るくて見えやすいのですが、日差しの強い天気のいい日は見えづらいなあと思うこともしばしばあります。
また、筆者の自宅近くにあるLED信号機は、遠くからは見えづらく、近づくとやっと青だとわかります。これはわざと見えづらくしているのか? それとも気のせいなのか?
本企画では、最新のLED信号機とはどんなものなのか? かつての電球式信号機のメリット、デメリットについて考察していきます。
文/岩尾信哉
写真/コイト電工、信号電材、Adobe Stock
【画像ギャラリー】今やすっかりお馴染みとなったLED信号機 LEDならではの特徴とは?
■普及が進むLED式交通信号機
ここでは車両用と歩行者用がある信号機のうち、車両用に絞って話を始めよう。
日本で初めて信号機が設置されたのは、1930(昭和5)年に東京都の日比谷交差点とのこと。翌1931(昭和6)年に同じく東京の銀座4丁目交差点や京橋交差点など34ヵ所に3色灯の自動信号機が設置され、第二次世界大戦後に普及が進んだ。ちなみにLED式交通信号機(以下LED式信号機)に関しては、1994(平成6)年に愛知県と徳島県から設置が始まった。
現在の日本全国でのLED式信号機について設置状況を見てみると、普及率に関しては、警察庁の2020(令和2)年3月末の発表(集計数は令和元年度)で、車両用灯器は約127万灯、歩行者用灯器は約102万灯、合計で約230万灯となっており、このうちLED式信号灯器が占める割合は、約60.7%(車両用約63.1%、歩行者用約57.8%)」とのこと。
LED式車両用信号機の設置数でトップとなる東京都の普及率は100%に達していて、率の上では福岡県(99.8%)、長崎県(98.5%)、沖縄県(92.9%)と続いている。
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