■用途によってBEVとFCVの使い分けるダイムラートラックの提案
燃料電池自動車が車両の動力源に電動機を用いるのはバッテリー電気自動車(BEV)と同じだが、現在の技術ではバッテリーのエネルギー密度が低く重量がかさむため、燃料電池電気自動車(FCV)のほうが多くのエネルギー搭載が可能で航続距離が稼ぎやすい。
とりわけ大型トラックのように総重量が大きい車両で一定以上の航続距離を確保しようとすると、BEVでは大量のバッテリーによる減トンが不可避的となるが、FCVは従来車並みの積載量確保が可能。
これがトラックを電動化にあたって小型車や航続距離が短い車両はBEV、大型車や長い航続距離が必要な車両はFCV、という住み分けの理由になっている。
今回ダイムラートラックAGがFCVのGenH2とともにBEVの「eアクトロス・ロングホール」と「eアクトロス」を発表したのは、こうした条件に基づく使い分けの提案だ。
eアクトロス・ロングホールはGenH2と同じクラスのセミトラクタに最新の高性能バッテリーを大量に搭載したもので、航続距離は約500kmを確保。計画されたルートでの運行ではドライバーの休憩時間に急速充電を行なうことで行程を伸ばすことも可能だ。
いっぽう、eアクトロスは近距離・地場用の大型BEVトラック。ベースはIAA国際商用車ショー2016で披露されたコンセプト「アーバンeトラック」で、航続距離は200km以上を確保。2軸または3軸の単車で従来型アクトロスと同等の積載量を確保するという。
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