■実は歴史の長いホンダとGoogleとの関係
今回、ホンダの発表によれば「2022年後半に北米で発売する新型車に搭載を開始し、順次グローバルに展開する」とのことだ。
また2015年からAndroidプラットフォームの自動車への参入に協力することで、2016年発売のアコードから「Android Auto」の搭載を実現するなど、ホンダとGoogleの関係は(特に北米では)関係が深い。
新サービスでは従来同様に「Googleアシスタント」を使うことでステアリングから手を離さず音声のみで各種操作を完結できる。
また重要なカーナビ機能に関しても「Googleマップ」を統合することでスマホで使っていたGoogleマップの登録データなどもそのまま使用できる。もちろん「ググる」ことに関しては世界トップレベルゆえに、ガソリンスタンドやEV充電スタンドの検索、店舗の営業時間などの情報も活用できる。
■もはやスマホは必要無くなるのか?
ここまで読んでも「今までのAndroid Autoと何が違うのかわからない」という声も聞こえてきそうだ。
実はホンダ自体はまだ未発表だが、Googleはスマホをディスプレイオーディオなどの車載機器に接続して使う従来までの「Android Auto」から次のステップに向かっている。
その正体が「Android Automotive OS」と呼ばれる仕組みである。簡単に言えば、従来までのスマホに組み込まれていたOS自体を車載機器側に組み込む考えである。
これを使うためには当然車載側に通信モジュールなどが必要となってくるが、もはや昨今のインフォテインメントシステムには通信は標準装備化しつつある。
つまり、スマホをいちいち接続するのではなく「スマホ不要でGoogleのサービスがワンストップで使える」点が最大のポイントとなる。
■新OSを組み込んだ車種はすでに発売されていた!
「Android Automotive OS」を使うことでこれまでスマホ側で行っていたGoogleの各種サービスが使えることは前述した通りだが、実際は車両で使うことを想定したUI(ユーザー・インターフェース)の策定や、対応するアプリの仕様も変更されるはずだ。
またGoogleはアプリを購入しインストールできる「Google Play」を展開しているが、今後は「Android Automotive OS」向けの専用アプリもリリースされるはずだ。
今回のホンダの発表は確かに期待できる部分は多いのだが、実はすでに国内ではこのシステムを搭載した車両が発売を開始している。
それが9月1日に発売開始したボルボ「XC60」「S90」「V90」「V90クロスカントリー」だ。
元々ボルボは2017年5月にGoogleと提携を行っており、日本未導入のXC40リチャージに新システムを搭載している。
ボルボは新システムを「Google Apps and Services (Google アプリ/サービス)」と呼び、Googleマップを活用したカーナビシステムや、音声操作システム(但し2021年末以降から利用可能)、もちろんGoogle Playも使うことができる。
同時にこれまでボルボ車に搭載されていなかった通信機能に関しても「Volvo Cars app(テレマティクス・サービス/ボルボ・カーズ・アプリ)」を採用することで緊急通報サービスやエンジンリモートスタート機能、またセキュリティ面でも盗難車両の検索機能なども使えることになる。
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