■実際に車を見て触れられる機会は必要
また、スマホ上ですべてを完結させたいならば、ディーラーではなく、ほかの場所での実車を触ることのできる機会の設置が必要となるだろう。日本同様に若年層のクルマ離れが目立っているアメリカ。
しかし、そのアメリカでは全米各州でモーターショーが開催されている。そして、そのモーターショーを訪れる若い世代が増えているとのこと。アメリカでもオンライン商談は若年層の利用が目立つようで、購入車種の絞り込みのため、会場で実車チェックをする若者が増えているようだ。
そのため最近のアメリカのモーターショー会場は、各メーカーブースで、できるだけ数多く市販車を展示するといった様子が目立っている。また、試乗コーナーも充実してきている。
日本では東京モーターショーが“オワコン”といわれるが、移動手段としてのクルマ需要の多い地方部では、地元の業界団体主催などで、公園の駐車場などを借りて、多くのメーカー系ディーラーに出張展示にきてもらう、“ミニモーターショー”のようなものの開催も目立つ。
これをさらにパワーアップさせた、市販車のみだが試乗もできる、全国各地で行うモーターショーの開催は必要だと考える。スマホを使えば簡単に新車が買える。しかしその便利なスマホ画面まで消費者を誘導するのには、リアルワールドで少し“汗”をかく必要があるだろう。
世の中には、その現場を覗かないとなかなか見えてこない業種がある。そして、そのひとつが新車販売の世界。カローラクラスでも支払総額で300万円も珍しくなく、アルファードなら、600万円ぐらいも当たり前だ。そのような高額商品をベテランなら、毎月5台以上販売している。
そのような世界だからこそ、「お客さんは、どのタイミングで購入を決断するのか(必ずしも希望条件達成がマストではない)」など、体験しないと見えてこないことが多い。
実際新車を売らないまでも、そこに携わるひとの声を聞き、デジタル化にあたり不要なものと、残すべきものを選別してシステム構築していくと、より“魂”の入ったものとなり、より多くのひとたちに便利に活用してもらえるツールになるのではないかと考える。
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