■ユルさも味わい! スクリーンの向こうに古き良きアメリカが
映画はいま観ると驚くほどユルいのがご愛敬なのだが、米国では1981年公開作で6番目のヒット作となり、日本でも21憶円の収益を上げてシリーズ化。のちに『キャノンボール2』(84)、『キャノンボール3 新しき挑戦者たち』(89)まで作られた。
『2』は『1』同様に、レイノルズやジャッキーが出演し、監督もハル・ニーダムで製作には香港のゴールデンハーベストが加わっているが、『3』も一応、シリーズに入っているとはいうものの、原題は前2作の『Cannonball run』から『Speed Zone』となり、監督も出演者も製作も別人で主題歌も違う。
それでも正統的なシリーズ扱いされているわけは、オープニングがカウンタックとパトカーのチェイスシーンになっているから。
ちなみにこのカウンタック、『2』は白のLP500Sで、『3』では赤の5000QVと替わっていて、しかも『3』のランボルギーニは、川面の三段跳びまでやってのける! これは公開当時、大きな話題になった。
『1』『2』のエンドクレジットはNG集になっていて、キャストたちがいかに楽しんでこの映画を作ったかが伝わって来る。NG集は『プロジェクトA』(83)から始まったジャッキー・チェン映画の十八番だが、もしかしたら本作の影響で始めたのかもしれない。
もうひとつ、ジャッキー・ネタで言うと、ジャッキーとのコラボレーションで知られる三菱自動車が登場するのは『キャノンボール2』。このときジャッキーが乗っているのは三菱スタリオンだった。ということは、ジャッキーにとってもこのシリーズは、重要な意味をもっていたということになりそうだ。
●解説●
実際にある非公認のカーレース、Cannonball Baker Sea-To-Sea Memorial Trophy Dashをモチーフにして作られた作品。アイデアは、実際にこのレースに参加した経験がある監督のハル・ニーダムと、脚本を担当したブロック・イェーツによるもの。
レイノルズ扮するカーマニアの男とその相棒を中心に車好きの連中が、警察や安全推進委員会なる組織の嫌味な男の追従を交わしながらコネチカットからカリフォルニアに着くまでを描いている。
監督のハル・ニーダムはスタントマン出身の監督で、レイノルズのスタントマンとしても活躍。ニーダムの初監督作は『トランザム700』(77)というカーアクション・コメディで、レイノルズが主演してこちらもヒット。
『トランザム7000VS激突パトカー軍団』(80)が作られ、別の監督とレイノルズのゲスト出演のみで『トランザム7000PART3』も作られた。このふたり、ヒットシリーズがふたつもあるゴールデンコンビだったりするのだ。ニーダムは13年に82歳、レイノルズは18年に同じく82歳で亡くなった。
なお、『キャノンボール』にはリブートのウワサがあり、18年に『2』の製作をしたワーナーがリブート権を手に入れたと報道されている。同社は『ワイルドスピード』のようなシリーズにするつもりらしいと言われていたが、最近は進捗を聞かなくなった。ちょっと気になります!
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ブルーレイ
・商品名:キャノンボール
・税込み価格:3,122円
DVD
・商品名:キャノンボール デジタル・リマスター版
・税込み価格:1,572円
・発売元: ツイン
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