どうしても手放せない! 偉大なる昭和のクルマ、70スープラの「味」とは?

■デザインから感じる「走りのロマン」

 そして、最後は「走りのロマン」を感じさせるダイナミックで品質感ある内外装デザインの採用である。デビュー当初、70型スープラのボディサイズは全長4620×全幅1690×全高1310mmという5ナンバーサイズだった。

 そのボディにリトラクタブルヘッドライトや、大型エアカットフラップ、大きな絞りを持たせたフロントコーナーを採用することで、ダイナミックなデザインとCd値0.33という優れた空力性能を両立させている。

 また、インテリアでは当時日本初の大型パノラミックデジタルメーターをはじめ、スポーツシートなど数多くの新装備を搭載していた。そして、この当時の車両本体価格は209万~335万5000円で、先日発売されたスバル新型BRZより安かったのだ。

 70型スープラは販売開始後も進化を続け、87年に3ナンバーとなるワイドボディを採用した3.0GTターボリミテッドを設定。88年8月のマイナーチェンジでは、内外装の変更を行うと同時に3Lエンジン搭載車のすべてに3ナンバーのワイドボディを設定。

2.5ツインターボ Rは最高出力280ps。日本国内の自主規制値いっぱいに到達した
2.5ツインターボ Rは最高出力280ps。日本国内の自主規制値いっぱいに到達した

 そして3L直6ターボエンジンは240ps、2L直6ツインターボエンジンは210psへとそれぞれ最高出力が向上している。89年には2Lツインターボ車にもワイドボディを拡大する一方、3Lエンジン搭載車の廉価グレード3.0GTターボSを設定。90年8月に一部改良を行い、7M-GTEU型3L直6ターボエンジンが廃止され、最高出力280psを発生する1JZ-GTE型2.5L直列6気筒ツインターボを搭載した。

 なかでもレカロシート、ビルシュタインショックアブソーバー、トルセンLSD、モモステアリング&シフトノブ、専用ホイールなどを標準装備したスポーティグレードの2.5ツインターボRの人気は高かった。

■スポーツGTの華、高性能なホモロゲモデル

 そして何と言っても70型スープラで忘れてはならないのが、88年のマイナーチェンジの際に500台限定で販売された「3.0GTターボA」だ。このモデルは、当時開催されていた全日本ツーリングカー選手権のホモロゲーションモデルで外観の特徴はフロントバンパーセンター部に設置された3連ダクト。

3.0GTターボAに搭載されるエンジン「7M-GTE(U)」は最高出力270psを誇り、89年にフェアレディZが280psで登場するまで国産で最も高出力な量産車として君臨した
3.0GTターボAに搭載されるエンジン「7M-GTE(U)」は最高出力270psを誇り、89年にフェアレディZが280psで登場するまで国産で最も高出力な量産車として君臨した

 そして、搭載されている3L直6ターボエンジンは、ターボAタービンという専用開発されたパーツを装着し、最高出力は270psまでパワーアップした。当時このスープラ3.0GT ターボAと日産R31型スカイラインGTS-Rは若者たちの憧れで、外観デザインやチューニングを真似ていた。

 また当時、国産車トップレベルの走行性能を誇った70型スープラは、80年代のチューニングブームの主役の1台だった。特に最高速では200マイル(320km/h)突破を目指して、腕利きのチューニングメーカーがスープラをチューニングして今はなき谷田部の日本自動車研究所テストコースのバンクを駆け抜けていったのだ。

 最高出力280psを誇る1JZ型2.5L直列6気筒ツインターボより、3Lの7M型エンジンのほうが、ボアアップなど多彩なチューニングが可能で最高速チャレンジには向いていた。そして、93年にフルモデルチェンジを行い、80型スープラへと世代交代を行う。

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