■搭載義務化でCDRのデータは積極的に活用されていく
ただ現状では、EDRのハード、ソフトともに、世界で統一されたものがあるわけではなく、各自動車メーカーやサプライヤーごとに、その中身は微妙に違う。
そこで、ボッシュがメーカー間の違いを超えて、データの読み取りができる汎用のデータ読み取り機器「クラッシュ・データ・リトリーバル(CDR)」を開発。(※ボッシュの汎用データ読み取り機、CDRは国産メーカー、欧米各社を含む全世界21の自動車メーカーのEDRに対応)
このCDRを使ったEDRデータの読み出しと解析は、ボッシュ認定の「CDRアナリスト」によって行なわれることになっているが、国内にまだ270名しかいない……。
というのも、このボッシュの「CDRアナリスト」は、事故解析の経験、車両システム、物理法則といった知識の取得に加え、エンジニアリング英語力を備えた技術者が行う、5日間・40時間のボッシュ認定CDRアナリストトレーニングを受講しなければならない。さらに、修了試験に合格して認定されるという厳しいものだからだ。
そのため、国内の事故調査の対象となる自動車は約150万台もあるにもかかわらず、実際にEDRデータを活用した調査は約4000台にとどまっているのが現状だ。
そこでボッシュでは、新たにEDRデータの読み出し作業のみを専門とした「CDRテクニシャン」制度を新設。
2日間のCDRテクニシャントレーニングを受講し、終了試験に合格すればCDRテクニシャンの認定が受けられるようにし、数年で1000人規模への拡大を目指すことが、2021年10月に発表された。
というわけで、2022年7月のEDR搭載義務化以降は、より積極的に事故時のEDRデータ活用されることになっていくだろう。
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