新型ステップワゴンのシフトもスイッチ式! 最近増えてきたスイッチ式シフトの功罪

■大幅に小型化されたゴルフの電制シフトレバー

 2019年10月に欧州で発表され、8代目となった新型ゴルフが日本市場で発売されたのは2021年6月。世界的なコロナ禍や半導体不足など、様々な影響があったとはいえ、ようやく日本市場に導入された。

 新型の変化は先代から導入を開始、8代目の新型の設計段階からパワートレインを含めて全面的に採用されたMQBプラットフォームの存在が大きい。

 インテリアデザインへの影響については、デュアルクラッチトランスミッション(DCT、VWではDSGと呼ばれる)が「バイ・ワイヤ化」されたことで、シフトレバーが先代よりも大幅に小型化されたことが際立っている。

 レバー式からの変更が従来のユーザーに扱いやすさの面で受け入れやすいかどうかはさておき(センターコンソールに配置したことは従来のユーザーへの配慮といえる)、見た目には「進化した」といえる。

2021年6月に日本に導入された8代目VWゴルフ
2021年6月に日本に導入された8代目VWゴルフ
フェラーリのF1マチックのように極端に小さくはなっていないが肉食恐竜の前足が退化したような印象を受ける8代目ゴルフのシフトレバー。変速機構のシフト・バイ・ワイヤ化を受けてシフトレバーが大幅に小型化
フェラーリのF1マチックのように極端に小さくはなっていないが肉食恐竜の前足が退化したような印象を受ける8代目ゴルフのシフトレバー。変速機構のシフト・バイ・ワイヤ化を受けてシフトレバーが大幅に小型化

■スイッチ式シフトレバーを巡るそれぞれの事情

 最近の例をもう少し挙げてみると、2021年6月にワールドプレミアとして発表された新型レクサスNXは、スイッチ式シフトレバー(レクサスでは「ドライブモードセレクトスイッチ」と呼ばれる)が採用された。

 パワーユニットとして2.4L、直4ターボとハイブリッド用2.5L、直4の2種のガソリンエンジンを与えたうえでスイッチ式シフトレバーを装備。インテリアでは、14インチ・タッチワイドディスプレイが幅を利かせているのはもはや珍しくなくなっている。

プレミアムブランドとしてのレクサスはスイッチ式シフトレバーの導入に積極的であり、新型NXでも採用している
プレミアムブランドとしてのレクサスはスイッチ式シフトレバーの導入に積極的であり、新型NXでも採用している
NXのトランスミッションはシフト・バイ・ワイヤによって実現。上からP-N-R-D、S。アクアではBの部分がNXではSになっている
NXのトランスミッションはシフト・バイ・ワイヤによって実現。上からP-N-R-D、S。アクアではBの部分がNXではSになっている

 ちなみにレクサスはスイッチ式シフトレバーを積極的に採用してきたが、ハイブリッド仕様でもレバー式を採用する数少ないモデルであるESでは、レクサスの主なマーケットである北米市場での保守的なユーザーを気遣ったかのような設定とされている。

 日産が2021年6月に発表したオーラやベースとなるノートは、パワートレインが「e-POWER」のシリーズ式ハイブリッドのみの設定とされている。

 オーラではスタイリッシュなデザインが施されたスイッチ式シフトレバーが採用された。日産はPポジションをボタンとしてレバーに設えている。

日産オーラはベースとなるノートとともに、「e-POWER」というシリーズ式ハイブリッドを搭載
日産オーラはベースとなるノートとともに、「e-POWER」というシリーズ式ハイブリッドを搭載
日産ノートオーラのシフトレバー
日産ノートオーラのシフトレバー

 日産オーラはベースとなるノートとともに、「e-POWER」のシリーズ式ハイブリッドモデルとして、洒落たデザインのスイッチ式シフトレバーを採用する。

 他の日本メーカーについては、コスト面も含めて導入には慎重な姿勢を採っているとはいえ、マツダはMX-30で同社初のスイッチ式シフトレバーを採用。EVをラインナップする先進性とインテリアデザインへのこだわりが表れている。

マイルドハイブリッドとEVをラインナップするマツダMX-30
マイルドハイブリッドとEVをラインナップするマツダMX-30
マツダMX-30でもマツダ初のスイッチ式シフトレバーを採用。デザイン性の向上とともに、EVへの対応を含む設定といえる
マツダMX-30でもマツダ初のスイッチ式シフトレバーを採用。デザイン性の向上とともに、EVへの対応を含む設定といえる

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